ロードバランサー、アプリケーション・スイッチ、レイヤー7スイッチなど、サーバー負荷分散装置には様々な呼び方がある。「アプリケーション配信スイッチ/コントローラー」(Application Deliverly Controller)などとも呼ばれる(以下、ADCと呼ぶ)。

 ネットワークスイッチとしてとらえると、先駆けとなったのはTCP、UDPなどのトランスポート層(レイヤー4)で負荷分散を行うレイヤー4スイッチである。

 そして、HTTP、FTPなどのアプリケーション層(レイヤー7)で制御を行うレイヤー7スイッチが登場し、ユーザーからのアクセストラフィック内のCookie、Webブラウザー種別などの情報を判別して適切なサーバーに配信することが可能になっている。とりわけ、ショッピングサイトのように徐々に規模が拡大していく傾向にあるシステムでは、システム構成の定番だ。

クラウドでサーバー環境が激変

 アイ・ティ・アールが調査した、ADCの国内市場規模の推移を図1に示す。2010年のADCの市場規模(99億円)は、レイヤー2/3スイッチ(960億円)の約10分の1と小さい。ADCは高度なスイッチング機能を提供するため、機器の単価がレイヤー2/3スイッチに比べて高く、限られた領域への適用にとどまっているためである。

図1●アプリケーション配信スイッチ市場規模推移と予測
[画像のクリックで拡大表示]

 このようにADCは、既にWebシステムでは利用するのが一般的になった。ただ、サーバー仮想化、クラウドサービス、データセンター(DC)の浸透に伴って市場に動きが出てきている。

 まず、物理的には1台のハードウエア上で稼働する多数の仮想マシンに対し、負荷分散させる必要が出てきた。さらに複数の異なるDCや、クラウドサービスを併用することから、広域での負荷分散のニーズが高まっている。ADCが多拠点に分散するため、一元管理の仕組みも必要になる。

 現状では、ADCを利用しているほとんどのユーザー企業は、システムごとにADCを導入している。ネットワーク機器としてではなく、システム構成要素の一つとしてADCを利用しているのである。これらのユーザー企業の多くは、案件ごとにシステムを構築するため、システムごとに異なるADCが導入され、運用に手間がかかるケースがある。さらに過剰スペックのADCを導入してしまい、有効活用できていないケースが散見される。これに対し、最近のADCは一貫したポリシーに基づいたアプリケーション配信やADCの効率的な利用が可能になっている。

 そこで今回は、東京、大阪でDCを利用し、同時にパブリッククラウド(IaaS)を使っている企業がアプリケーション配信基盤を見直すケースを想定し、ベンダー各社に提案を募った。

ポイントはココ!

■データセンター、クラウドサービスなどに分散したシステムに対する統合基盤としての要件を考える
■重要ポイントは仮想化環境への対応、高い可用性の実現。コストと機能・性能のバランスも大切

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。