筆者は仕事柄、ユーザー企業を訪ねることが多い。最近テレビ会議付きの会議室を見かけることが多くなった。

 リーマンショック以降の景気低迷に伴い、多くの企業がコスト削減に取り組んできた。アイ・ティ・アール(ITR)が2009年9月に実施した国内企業のIT投資動向調査によると、国内企業がコスト削減のために実施している対策のトップは「出張・交通費支払いの抑制」であり、実に6割以上の企業が取り組んでいた。この一環として、一気にテレビ会議システムの導入が進んだとみていいだろう。

 最近では、SaaS(Software as a Service)型のサービスが充実し、いっそう導入しやすくなってきている。今後ますます利用率が高まりそうだ。

この1、2年で急拡大

 図1にテレビ会議/Web会議システムの分類を示した。ここでは、会議室に設置し会議参加者の映像に重点を置いた専用端末型システムを「テレビ会議」、主にクライアントパソコン(PC)を利用し会議資料の共有に重点を置いたものを「Web会議」としている。

図1●テレビ会議システムの分類
タイプにより、臨場感、利用場所の自由度、コストのバランスが異なる。
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 図2は、ITRが2010年1月から2月にかけて調査を実施した、国内におけるテレビ会議/Web会議システムの出荷金額の推移を示したものである(2010年度以降は予測)。テレビ会議システム市場の出荷金額は、2008年度、2009年度と2年続けて2けた成長を見せている。これは前述の出張コスト削減ニーズが主たる理由だが、企業が従来利用していたテレビ会議システムに対し不満を抱いていたことも大きな要因となっている。

図2●テレビ会議市場規模の推移と予測
出典:ITR Market View:コラボレーション市場2010(2010年3月)
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 以前のテレビ会議システムは、画質や音質が悪く、用途が限定されているため、導入した企業でも実際の利用率は低かった。役員会議室や大会議室などに設置されることが多く、主たるユーザーである役員クラスが簡単に操作できない点も課題とされていた。

 このためここ1、2年は、ハイビジョン放送並みのHD(高精細度)画質のテレビ会議システムの販売実績が伸びている。HD対応システムの出荷金額は、2008年度に前年比71.4%増、2009年度に同55.6%増と大きな伸びを示しており、2009年度はテレビ会議システムの総出荷金額の半数を占めるとみられる。

 Web会議も順調に成長している。これも、前述の出張・交通費支払い抑制対策の一環だが、かつて中国などで重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行し、海外出張が抑制された際にテレビ会議/Web会議システムの導入が進んだように、パンデミック対策としての導入も進んでいる。

ポイントはココ!
■製品・技術は急ピッチで進化するため、要件の指定は、あえて使い方を示す定性的な表現で
■利用できる端末や、運用支援ツールの機能・使い勝手に関する要求も明記する

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