IaaS/PaaSやSaaSなどのパブリッククラウドの導入支援サービス部門と、プライベートクラウドの構築支援サービス部門の結果を紹介する。いずれの分野もベストサービスの顔ぶれががらりと変わった。

一貫支援が高評価

 パブリッククラウド導入支援サービス部門では、24件の有効回答の中から日立ソリューションズの「ハイブリッドインテグレーション」をベストサービスに選んだ(図6左)。同サービスはアマゾン、日本マイクロソフト、セールスフォースといった主要パブリッククラウドすべてを支援対象とする。現状分析から運用に至る各フェーズを一貫して支援できる点が高評価につながった。特に利用開始支援と保守運用支援に対する評価が高かった。

図6●パブリッククラウド導入支援サービス部門とプライベートクラウド構築支援サービス部門のベストサービス
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 この分野でベストサービスの対象となる総合スコア65を獲得したのは、日立ソリューションズだけだった。TDCソフトウェアエンジニアリングやサイオステクノロジー、電通国際情報サービス(ISID)などのサービスは届かなかった。

 このうちISIDのサービスは、全世界でサービスを受けられる点が目を引く。北米(米国・カナダ)、欧州、中国を含むアジア、中南米、オセアニア、中東、アフリカでのサービス提供を可能とする。本社の情報システム部門の手が届かない海外拠点にパブリッククラウドの導入を検討しているユーザー企業には頼もしい。

実績豊富なサービスが選出

 プライベートクラウド構築支援サービスのベストサービスには4社の5サービスを選んだ。新日鉄ソリューションズ、NTTコミュニケーションズ、日立情報システムズのサービス、およびCTCの2サービスである(図6右)。

 いずれのサービスも十分な実績を積んでいる。5サービスとも国内法人への導入実績が100社を超えていた。なかでも新日鉄ソリューションズは300社超の実績があった。

 好成績のサービスは大企業への導入も進んでいる。ベストサービスの5サービスのうち、「最大規模の顧客の利用者数」が1万人以上のサービスが四つあった。残る一つも3000人以上と回答した。

 プライベートクラウドはユーザーごとに要件が大きく異なるだけに、現場で鍛えあげたサービスは心強い。ベストサービスの5サービスは、いずれの項目でも高い評価を得ている。特に「サポート時間」や「SLA(サービスレベル・アグリーメント)を締結可能な最大サービス稼働率」などの評価が高い。

 一方、海外でのサービス提供はベンダーによって違いが出た。回答があった43件中23件は、海外での構築支援サービスを「未提供」または「非公開」と回答した。

 一般に国産ベンダーは海外でのサービス提供が遅れている。高評価を得たベンダーでもこの傾向は変わらなかった。

 数少ない例外の1社は、NTTコミュニケーションズ。北米、中国、欧州だけでなく、アフリカ、南米など全世界でサービスを提供している。

パブリッククラウド導入支援サービス部門と
プライベートクラウド構築支援サービス部門の調査内容
 パブリッククラウド導入支援サービス部門の調査項目は合計27。各項目は(1)サービス内容、(2)サービス提供要員関連、(3)サービス提供拠点関連、(4)利用開始支援関連、(5)保守運用支援関連、(6)実績関連の6分野に分かれる。
 一方のプライベートクラウド構築支援サービス部門の調査項目は合計27。各項目は(1)サービス内容、(2)サービス提供要員関連、(3)サービス提供拠点関連、(4)料金関連、(5)製品・技術関連、(6)運用アウトソーシング関連、(7)実績関連の7分野に分かれる。
 いずれも調査結果は「クラウドらしさ」と「既存システムからの移行のしやすさ」を重視して評価した。提供するサービスの幅、サービス提供要員数や拠点数、実績、情報公開度などを重くみた。
 全体で100点満点となるように配点し、平均値が50、標準偏差が10となるように標準化して総合スコアを算出した。総合スコアが65以上だったサービスを「ベストサービス」として認定した。
【パブリッククラウド導入支援サービス部門の調査項目】
(1)サービス内容(30点)
 導入支援対象のパブリッククラウドサービスの提供会社、支援対象サービス名、支援サービスの範囲、支援サービスの内容、支援対象サービスの提供会社による認定
(2)サービス提供要員関連(10点)
 支援サービスに関与する営業要員数、全営業要員に占める比率、支援サービスを提供可能なエンジニア数、全エンジニアに占める比率
(3)サービス提供拠点関連(11点)
 支援サービスを提供可能な国内地域、支援サービスを提供可能な国内拠点数、全国内拠点に占める比率、支援サービスを提供可能な海外地域
(4)利用開始支援関連(15点)
 事前コンサルティングの内容、契約支援サービスの内容、利用環境整備サービスの内容
(5)保守運用支援関連(24点)
 独自の高信頼性/高可用性サービス、独自の問い合わせ窓口の対応時間、サービス停止とみなす処理途絶時間、計画停止の通知時期、障害・災害発生時の通知方法、独自のセキュリティ対策サービス、独自の障害対策サービス、独自のデータバックアップサービス、独自の障害復旧支援サービス
(6)実績関連(10点)
 日本国内における法人ユーザー数、全世界における法人ユーザー数
【プライベートクラウド構築支援サービス部門の調査項目】
(1)サービス内容(15点)
 提供するサービスの内容、提供可能な導入コンサルティングの内容、提供可能な設計/構築サービスの内容、提供可能な運用アウトソーシングの内容
(2)サービス提供要員関連(10点)
 支援サービスに関与する営業要員数、全営業要員に占める比率、支援サービスを提供可能なエンジニア数、全エンジニアに占める比率
(3)サービス提供拠点関連(10点)
 支援サービスを提供可能な国内地域、支援サービスを提供可能な国内拠点数、全国内拠点に占める比率、支援サービスを提供可能な海外地域
(4)料金関連(10点)
 設計/構築サービスの料金体系、標準構成品のレンタル提供
(5)製品・技術関連(20点)
 主に利用するハードウエア、主に利用するOS、主に利用する仮想化ソフト、主に利用するRDBソフト、主に利用するデータセンター、用意するテンプレート数
(6)運用アウトソーシング関連(20点)
 サポート時間、SLAを締結可能な最大サービス稼働率、SLAを締結可能な最少システム停止時間、専任担当者のアサイン
(7)実績関連(15点)
 日本国内における法人ユーザー数、全世界における法人ユーザー数、最大規模の顧客の利用者数