中堅中小企業のIT投資が、復調の兆しを見せている。IDC Japanの予測によると、2011年における中堅中小企業(従業員数999人以下)向けIT市場は、前年比0.1%増の3兆6380億円になりそうだ。前年比でプラスに転じるのは、4年ぶりとなる。成長率は1%未満ではあるが、2012年もプラス成長を維持しそうだ。

 産業分野別に見ると、2011年の成長率が最も高いのはサービス業(前年比成長率0.7%)である。同調査のサービス業には、医療関連が含まれている。診療報酬明細書のオンライン化や地域医療情報の連携に向けたIT投資が、サービス業のIT市場をけん引する。

 このほか成長率がプラスの産業分野は、情報サービス業(同0.5%)、流通業(同0.3%)である。情報サービス業ではクラウド関連のIT投資、流通業では業務効率化や顧客情報管理の強化が、IT市場の成長を後押しする。ただし、金融業や製造業は2011年もマイナス成長が続く見込みだ。

 2012年には、すべての産業分野でプラス成長する。特に流通業は同3.0%と大きく成長する。これに続くのが製造業(同0.8%)、その他(同0.7%)である。プラス成長であるものの多くが1%未満の成長率にとどまるのは、ハードウエアの低価格化やクラウドサービスの普及などが影響している。

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