東日本大震災を契機に、国内のクラウドサービス市場が急拡大する。IDC Japanの調査によると、2015年の市場規模は2010年の5.6倍となる2557億円に達する見込みだ。震災前である2011年3月の予測では、2015年の市場規模は1947億円だった。

 リスク管理に対する企業の意識は、東日本大震災によって急速に高まっている。震災の影響で企業のIT投資意欲は低下しているものの、電力不足に対する懸念やBCP(事業継続計画)強化のために、クラウドサービスに対する需要は高まっている。

 国内クラウドサービス市場の2010年から2015年までの年間平均成長率は41.3%で、3月時点の予測(33.8%)を7.5ポイント上回った。

 ただし、クラウドサービスに対するニーズが、国内市場に反映されるのは2012年以降となる。クラウドサービスを導入するには、業務プロセスやITアーキテクチャーを見直す時間が必要だからだ。2011年の市場規模は、前年比45.6%増の660億円に達する見込みだ。これは震災前の予測とほぼ変わらない。

 短期的には、バックアップサービスや情報共有サービスなど導入が容易なクラウドサービスの需要は高まる。だが、市場規模を大きく押し上げるインパクトはない。

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