優秀な人材の流出を防ぐために、働きやすい環境を提供する──。例えばこうした観点から、主に米国でBYOD(Bring Your Own Devices)が注目を集め、日本にもその波が押し寄せてきている。

 BYODとは一般に、「個人所有の端末を、業務で利用すること」。とりわけ意識されているのが、スマートフォンやタブレット端末だ。「メールのチェックのためだけに、会社用の重いノートパソコンを持ち運びたくない」、「個人用と仕事用で別々のスマートフォンを使い分けるのは面倒」といったエンドユーザーの声は日本でも珍しくはない。

 一方でBYODは、経営者やシステム担当者からすると、端末の紛失や盗難に伴う情報流出をどう防いだらよいか、機器にトラブルが生じたときのサポートをどこまですればよいのか、といった悩みの種にもなる。

 そこで今回は読者モニターに、現時点で個人所有の端末の業務利用を、会社として認めているかどうかを尋ねた。その結果、「認めている」という回答は6.9%。これに対し「現在も今後も認めない」とした回答は70.2%と、個人端末の業務利用には否定的な企業が圧倒的に多い。

Q1. 個人の端末の業務利用を認めていますか
Q1. 個人の端末の業務利用を認めていますか

 ただし「現在は認めていないが、今後認める予定」と、BYODの導入を前向きに考える企業も6.4%あった。導入済みの企業とほぼ同規模である。また、「特に社内規定を設けていない/事実上黙認している」と回答した企業が14.7%あった。

 次に、BYODを現在も今後も認めないと回答した企業に、その理由を尋ねた。最も多かった回答は「情報漏洩の恐れがあるため」で88.2%。次いでマルウエア感染に対する恐れが61.4%で、セキュリティ上のリスクを懸念する声が上位を占めた。

Q2. Q1で「認めていない」とお答えの理由は何ですか
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 また「会社支給の既存端末で業務は十分遂行できる」とする意見も54.9%と半数を超えた。自由回答では「自分で試してみたが、完全な業務上の情報と、仕事がらみでも個人的に扱っている情報があり、端末が別になっているほうが扱いやすい」という意見が寄せられた。

回答者のコメントから
 重要な業務システムについては、社外からの接続は許可するつもりはない。だがグループウエア、メールなど、社内でシステムを運用する必要性が少ないものもある。このようなシステムについては、SaaSを利用していく方向にある。そこで、例えばSaaSで済ませるシステムに限って、BYODで利用可能にするなどの使い分けを考えている。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2012年3月14日~22日
回答企業数(回収率):405社中218 社(53.8%)