機能を絞り込んだ「ゼロクライアント」という仮想デスクトップ環境(VDI)向けの端末に対するニーズが高まっている。セキュリティ対策や障害対策といった管理負荷の削減を追求しているのが特徴だ。据え置き型に加え、IP電話取り付け型や液晶ディスプレー一体型といった形態の製品も登場している。

 「仮想デスクトップ環境の管理負荷をできるだけ減らしたい」。ゼロクライアントはこのニーズに応える端末で、米Cisco Systems、米Dell、米Hewlett-Packard、米Wyse Technology(Dellが買収を発表)、エルザジャパン、韓国Samsung Electronicsが製品を提供している(表1)。

表1●主なゼロクライアント
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 仮想デスクトップ環境は、サーバー上でWindows 7のようなクライアントOSを導入したVM(仮想マシン)を稼働させ、そのVMを端末からネットワーク経由で操作する仕組みだ。仮想デスクトップ環境の端末として通常のPCを利用すると、システム全体では、サーバー上のVMと端末であるPCの二つに対する管理が必要になる。

 例えば、セキュリティ面では、OSのセキュリティパッチを、サーバー上のVMのOSと、端末のOSの両方に対して適用する必要がある。ウイルス対策ソフトも端末側とサーバーのVM側の両方に導入しなければならない。

 障害についても同様である。サーバー上のVMではOSやアプリケーションといったソフトウエア障害が発生する可能性がある。端末側では端末ハードウエアと端末OSで障害が発生し得る。端末側とサーバーのVM側それぞれの障害に対応する必要がある。

 仮想デスクトップ環境の導入では、こうした管理負荷の増大が問題になる(図1)。このうちクライアント側の管理負荷軽減のため、以前はシンクライアントを端末に採用することが多かった。シンクライアントはハードディスクを搭載しないため、ハードウエア障害が少ない。

図1●仮想デスクトップ環境の現場の課題
仮想デスクトップ環境では、セキュリティ対策や障害対策が端末とサーバー上のVMの両方で必要になる点が課題になっている
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 ゼロクライアントは、こうしたシンクライアントのメリットをさらに追求し、最小限の基本ソフトを搭載した端末だ。定義は各社で少しずつ違うが、共通しているのは(1)端末の基本ソフトとしてWindowsやLinuxといったPCの標準OSを使わず、セキュリティ対策の負荷を削減した、(2)シンクライアントと同様にハードディスクを搭載しないなどで障害の発生頻度を減らした、ことである。

 クオリカは2011年12月、仮想デスクトップ環境の端末としてゼロクライアント400台を導入した。同社の会田雄一氏(常務執行役員 技術部長)は「シンクライアントとも比較したが、セキュリティの点でゼロクライアントが優れていた」と語る。

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