IDC Japanは2012年7月9日、国内イーサネットスイッチ市場の2011年の実績と予測を発表した。これによると、2011年の通信事業者向けイーサネットスイッチ市場は、移動体通信事業者の活発な設備投資により前年比成長率が11.9%と大幅に成長し、市場規模が452億8500万円となった。

国内イーサネットスイッチ市場 出荷ポート数/エンドユーザー売上額予測、2007年~2016年
国内イーサネットスイッチ市場 出荷ポート数/エンドユーザー売上額予測、2007年~2016年
出典:IDC Japan(2012年7月9日)

 一方企業向け市場は、東日本大震災の影響と企業の投資が再び鈍化したことで前年比マイナス8.3%となり、市場規模は1111億4000万円となった。企業向け市場の不調が影響し、消費者向け市場を合わせた国内イーサネットスイッチ市場全体の市場規模は、前年比マイナス3.3%の1581億1200万円となった。

 通信事業者向けイーサネットスイッチ市場の成長の背景についてIDCでは、移動体通信事業者がLTE(Long Term Evolution)などの新サービス用ネットワークの構築や、スマートフォン/メディアタブレットが生み出すトラフィックの急増を背景とした既存サービス向け設備の強化によって、イーサネットスイッチへの設備投資を積極的に行っていることを挙げている。

 一方、企業向けイーサネットスイッチ市場においては、2011年後半に回復の傾向は見られたものの、2011年前半の東日本大震災と企業の投資鈍化の影響は補えなかったとIDC。その結果、2011年通年の企業向けイーサネットスイッチ市場は前年を大きく下回る結果となった。企業向け市場の不調の影響により、国内のイーサネットスイッチ市場全体の市場規模もマイナス成長に転じた。

 国内イーサネットスイッチ市場における上位3ベンダーは、いずれも売上額とシェアポイントを下げている。一方、日立電線は、通信事業者向けと企業向けのいずれにおいても売上を伸ばしシェアポイントを上げた。IDCはその理由を、移動体通信事業者向け売上が好調であったこと、企業ネットワークのコア部分に導入する製品の販売拡大、データセンター向け製品や廉価版製品など新たに投入した製品ラインナップの伸長がシェア増加に寄与したと分析している。

 IDCでは、今後の国内イーサネットスイッチ市場について、2011年~2016年の出荷ポート数に関する年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を1.1%、エンドユーザー売上額のCAGRをマイナス1.7%と予測している。セグメント別では、企業向けイーサネットスイッチ市場での売上額のCAGRはマイナス1.4%で、通信事業者向け市場では同マイナス2.2%としている。