iPhoneやAndroid携帯の登場を契機に、モバイルの世界はかつてないほどの急変を遂げている。最近では、カフェや公園でiPadを使ったり、スマートフォンを電子マネーやチケットとして利用するなど、「スマートデバイス」(スマートフォンおよびタブレット端末)は、メインの端末としての地位を確立しつつある。

 これは、この夏に携帯電話各社から発売予定の新製品のほとんどがスマートフォンであること、企業でのスマートフォンやタブレット端末の導入も活発に進んでいることからも明らかである。

 つい先日も、アップルは「iOS 6」、マイクロソフトとグーグルも自社タブレット端末(それぞれ「Surface」「Nexus 7」)を発表。スマートデバイスは各社の注力分野であることが垣間見える。

 スマートデバイスは、端末単体だけでなく、クラウドと連携し、エンドツーエンドのサービスとして活用することで、ビジネスへの提供価値を最大化する。今回は、こうしたスマートデバイスを活用したエンドツーエンドのサービス提供を「モビリティ」と定義し、ビジネスをどのように変えていくかについて解説しよう。

新たなモビリティ時代の幕開け

 モビリティ時代の背景としては、まずはじめに、モバイルデバイスの爆発的な普及が挙げられる。

 全世界での携帯電話加入数は約60億(人口比87%、数字はITUによる)、日本では約1億2500万(人口比 95%、数字は電気通信事業者協会による)であり、最も身近なIT機器として、もはや日常生活に欠かせないものとなっている。カメラ、電子マネー、リモコンなど、今後もありとあらゆるものがスマートデバイスに取り込まれていくだろう。

 次に、様々な技術革新によるモバイルデバイスの高機能化/スマート化が挙げられる。

 スマートデバイスでは、高解像度の大画面により多くの文字情報やマルチメディアが鮮やかに表示され、タッチパネルでのフリックやピンチイン/アウトによる直観的な操作でより使いやすいユーザーインタフェースを実現している。

 カメラや各種センサーを備え、様々な外部機器との連携も可能である。特に、ソフトウエア(アプリケーション)を更新または追加することで機能を拡張し進化し続けるというモデルは、これまでの携帯電話業界にパラダイムシフトをもたらした。

 さらに、処理能力の向上、端末の軽量化、バッテリーの長寿命化により、PCの代替として企業がスマートデバイスの導入に対して高い期待を寄せている。価格はもちろん、常に電源がONであり、ネットワークと接続しているスマートデバイスは、次期プラットフォームの1つとしての選択肢の1つとなりつつあり、先進企業では積極的に導入を進めている。

 また、スマートデバイス単体だけでなく、クラウドコンピューティングやM2M(Machine-to-Machine)と連携して、より多彩なサービスが実現できることも、背景の1つである。

 クラウドと連携することで、スマートデバイスの容量や処理能力に関する制約をなくし、必要なリソースをクラウドから必要なだけ利用できる。多種多様な機器で発生するイベントをトリガーにデータを自動的に通知し、バックエンドではそれらを分析し、製品と売り上げとの相関関係を導出するといった形で、新たなビジネス価値を生み出すことができる。

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