「立体化」か「データ化」か

 そもそも、3次元化することの意味がセットメーカーと部品メーカーで同じなのか、というもう一つの論点もある。映画「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」「トイ・ストーリー3」で見られるように、形を立体で表現できることは魅力的だし大事なことだが、果たしてそれだけなのだろうか? という点である。

 セットメーカーでは開発の新陳代謝を利用して、単に形状を立体表現するだけでも効果的だった。複雑にユニット同士が干渉するような領域で取り合い設計をしたり、また3次元CADでないと表現できない複雑な曲面を使ったり、単なる立体化がむしろ効果を生んでいたといえる。

 ところが部品メーカーでは、部品点数も限られており、セットメーカーのように曲面でデザインを工夫して設計するようなシーンがあまりない。立体表現を重視する限りにおいて、3次元化によるメリットは部品メーカーではあまりない客観状況である。メリットがあまり感じられず、導入の機会もつかみにくいとなれば、部品メーカーの3次元化が進まなくても当たり前であろう。

 それでは、部品メーカーにとって3次元化は本当に意味がないのか。そこで出てくるのが3次元化のもう一つの意味である「情報のデータ化」である。「情報のデータ化」は、部品メーカー、セットメーカーを問わず、これまではっきりとは意識されてこなかった。3次元化といえば、暗黙のうちにたいてい立体化と同義と考えられていた。

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