これから、日本のものづくりを、PLM(製品ライフサイクル管理)と関連付けて書いてみたい。もちろん、両者とも過去・現在における定義のものではなく、これからの日本のものづくりと、これからのPLMである。

 日本のものづくりは、戦後最大の岐路に立たされているといってよい。決してこれからが悲観的なことばかりではないが、それ以上に全く楽観はできない。まさに、これからの戦略作りと実行力、その戦術の1つのITをどう活用するか、などが鍵になるのではないか。

本連載で述べたいことは、次の4つのことである。

(1)これからの日本のものづくりは、“もの・ことづくり”まで狙うべき

 “物=製品”から“もの=商品=商って価値・魅力のある製品”へと、思想の転換がぜひとも必要である。これはさらに、最終提供価値(=サービス・ビジネスモデル)を含めた“こと”まで含むべきであろう。

 数年前より、日本のものづくりに必要なことは“ものづくり”を前提とした“ことづくり”である、と言ってきた。筆者に限らず、このことを指摘する意見はあるのだが、現実に考え方の転換が十分進んでいるかどうか。これから日本が目指すべき方向を、“もの・ことづくり”として提案したい。

(2)日本の“もの・ことづくり”のために、企業として“川上力強化”を戦略とすべき

 川上とは、マーケティング・企画・開発・設計・生産準備プロセスを指す。言わずもがなであるが、製品の設計力だけでなく、生産技術の開発・設計力や、ビジネスモデルの企画・設計力なども含む。“設計力の強化”というとき、実際には“川上力の強化”であり、設計とは川上における最も代表的な機能を表現する言葉ととらえたい。

 “設計力”とは、言い換えると、品質・コスト優先の製品を市場に出すだけの力ではなく、顧客が最終的に利用・享受する場で製品が総合的な価値を発揮するように、最初からそれを見越して・盛り込み・造り上げられる力、である。

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