ヤフーの「Yahoo!クラウド ストレージ」は、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」と同じインフラ環境を利用した容量無制限のオンラインストレージサービスである。Web APIやWeb管理画面を介してデータを出し入れできる。データバックアップやコンテンツ配信など、幅広い用途に利用できる。
使用する通信プロトコルはHTTP/HTTPS。ストレージ操作APIはAmazon S3と同様のREST APIで、Webブラウザからのファイル操作もできる。ファイルサイズの上限は5Gバイトで、利用可能容量は無制限。保存データは多重化して冗長性を確保しており、99.9%以上の可用性を保証する。データ配信用には、複数のキャッシュサーバーを利用してWebコンテンツの配信を高速化するCDN(コンテンツ配信ネットワーク)機能を提供する。
料金体系は、ストレージ使用量とネットワーク転送量による従量課金制である。まず、ストレージ使用量に応じて1Gバイト当たり月額10円がかかる(以下、税込み)。この上で、クラウドストレージからデータをダウンロードする際のネットワーク転送量に応じて1Gバイト当たり15.75円(CDNを使う場合は14.7円)がかかる。
ヤフー自身も、同社提供のいくつかのサービスで同様のクラウド型ストレージを利用している。例えば、マルチメディアデータ格納では、個人向けオンラインストレージ「Yahoo! ボックス」や店舗向けホームページ作成サービス「Yahoo! ロコ プレイス」などで利用している。また、コンテンツ配信では、電子書籍配信の「Yahoo! ブックストア」、気象データ配信の「Yahoo! 天気・災害」、ゲーム配信の「Yahoo! ゲーム」などで利用している。
なお、Yahoo!クラウド ストレージは、ヤフーとIDCフロンティアが共同で企画・開発したもの。サービスの販売はIDCフロンティアが実施する。
インタフェース | REST API |
---|---|
Web管理画面(ファイル操作可能) | |
利用可能容量 | 無制限 |
ファイルサイズ | 最大5Gバイト |
可用性 | データ多重化などにより、99.9%以上の可用性を保証 |
その他 | コンテンツ配信用にCDNを提供 |
利用料金(税込み) | ストレージ使用料は1Gバイト当たり月額10円。ダウンロード転送料は1Gバイト当たり15.75円(CDN使用時は14.7円) |
発表 | 2012年9月6日 |
提供開始 | 2012年9月6日 |
記事公開時、ストレージ操作APIを「Amazon S3互換」としていましたが、表記法が似ているだけで互換性はありません。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。[2012/9/19 17:15]