かつて「社外で仕事をする」というと、業務時間内に完成できなかった報告書を自宅で作成するというようなものが多かった。残業を社外で継続するようなものだ。その場合、通信環境は不可欠というわけではない。翌日成果物を持ってオフィスに行けば済む話だからだ。

 一方、本連載で紹介する「どこでもオフィス」(テレワークやノマドワークとも呼ばれる)は、オフィスの外でありながらオフィス内にいるかのように、同僚や関係者と連絡を取り合うスタイルとなる。その場合、通信環境は必須であり、キモとなる。

 オフィスの外と内をつなぐもの。それはもう電話だけではない。パソコンやスマートフォンなどからインターネット経由で同僚や関係者とコミュニケーションするスタイルが当たり前になりつつある。オフィスの外から業務で使うデータを交換できるようになると、ビジネスに機敏性が生まれてくる。最近では通信環境の進化が著しく、高速化と多様化が一気に進んでいる。今回は通信環境に話題を絞ろう。

通信方式は3種類

 外出先から通信する場合、使用する端末はノートパソコンが主流。最近ではスマートフォンやタブレット端末のビジネス利用も普及しつつある。どれもワイヤレス(無線)通信という点では共通しているが、通信方式は大きく分けて3通りある(図1)。

●外出先でインターネットに接続する3つの方法
図1 ノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末を外出先でインターネットに接続するには3通りの方法がある。「公衆無線LAN」を利用するか、「3G 携帯電話回線網」を使って接続するか、あるいは「WiMAXやLTEなど高速無線網」を使うか、である
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 まずは通信方式としての「公衆無線LAN」から紹介していこう。これは、店舗やホテルなどで無線LANアクセスポイントを設置し、インターネットに接続するサービスだ。携帯電話ネットワークと比べたら、IEEE 802.11g/nなどの無線LANを利用できるので高速というメリットがある。ただし、サービスが提供されている公共施設や店舗内など、利用可能な場所が限られてしまうという側面もある。

 公衆無線LANは「フリースポット(freespot.com)」と呼ばれる無償のサービスのほかに、例えばNTTコミュニケーションズの「ホットスポット」やソフトバンクBBの「BBモバイルポイント」など、何らかの契約が伴う有償のものがある。仮に有償だとしても、スマートフォン向けの通信サービスなどと組み合わせると安価になる場合もある。うまく組み合わせて使いたい。

 次に第3世代の携帯電話回線網、いわゆる「3G」だ。NTTドコモなら「FOMA」と呼ぶものだ。利用可能なエリアは、無線LANスポットに比べると格段に広い。弱点は無線LANに比べたら低速なこと。メールなど、軽めの通信でどこでも使える利点を生かしたい。

 最近急速に現実味を帯びてきたのが「WiMAX」や「LTE」などの高速無線通信網だ。どちらも新しく、高速な無線通信網という点では共通しているものの、規格としては異なる。WiMAXは無線LANの技術を発展させたもの、一方のLTEは3Gを発展させたものだ。

 9月にはKDDI(au)が2011年秋冬モデルとしてWiMAX対応スマートフォンを発表した。これに対し、NTTドコモもLTE対応のタブレット端末(図2)を発表している。サービスエリアは各通信事業者ともに着々と広げており、ユーザーはこれからこうした高速無線通信網へとシフトしていくことになるだろう。

●LTE内蔵のタブレット端末も
図2 NTTドコモが販売する「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」(韓国サムスン電子製)。LTEを使ったNTTドコモの「Xi(クロッシィ)」に対応する
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