オフィス以外の場所でも業務が遂行できるのは非常に便利だが、外に出るとリスクがあるのも忘れてはならない。実際、移動中の作業や在宅勤務など、オフィスの外で業務を遂行することに二の足を踏む企業も多い。最近のデータを見る限りでは、オフィス外で業務を行う人の数は2008年以降あまり増加していない。情報漏洩といったセキュリティ面でのリスクがあるために、いざとなると踏み出せず、普及が停滞している、というのが実情のようだ。

 オフィスの中は入館証やファイアウオールなど、いわば城壁に囲まれているが、いったん外に出ればその限りではない。外にいるときは弱いところを防御できるように対策を施す必要がある。今回はそうした対策の数々を見ていくことにしよう。

 外出先で業務を遂行する際、最も脅威となるのは、データの紛失や盗難である。「情報流出」「知的財産の損失」「生産性低下」「法的対応」などが発生し、企業の信頼性を低下させたり、経済的損失を出したりと、多方面でダメージを受けてしまう。何よりもデータ保護が最優先だ。端末はお金さえあればいくらでも替えがきく。データは失わないこと、盗まれないことが肝要だ。

守るべきはデータ

 企業にとって顧客などの個人情報の漏洩は何としてでも防ぎたいところ。日本ネットワークセキュリティ協会の調べによると、個人情報流出の原因のうち、紛失や盗難が約2割を占める(図1)。

 原因の中では最多ではないものの、十二分に警戒する必要がある。これらは個人情報の入ったノートパソコンやUSBメモリーをオフィス外に持ち出し、事件や事故へとつながったものだ。外に持ち出す限り、紛失・盗難のリスクは必ず発生する。完全に防ぐのは難しいとしても、所有者の心掛け次第でたいていのものは防ぐことが可能だろう(図2)。

 当たり前の話だが、大事なデータを持ち出しているのであれば、所持品の管理はきちんと行う。例えば端末を落とさない・盗られないように、きちんと閉まるかばんに入れる、不用意な寄り道をしない、車上荒らしに遭わないように荷物の置き場に注意するなど。特にUSBメモリーやスマートフォンなど小型のものはポケットから落とさないように気を付けたい。

 万が一紛失や盗難に遭ったときのことを考え、悪用されないように端末やデータにはロックや暗号化を施しておくのも重要だ。大事なデータはローカルではなくサーバーに保存して、ネットワーク経由でないとアクセスできないようにしておく方法もある。

●個人情報流出の原因は、紛失や盗難が2割
図1 日本ネットワークセキュリティ協会の調べによると、2010年に発生した個人情報流出のうち、紛失や盗難が原因の約2割を占める(日本ネットワークセキュリティ協会の資料を基に本誌が作成
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●紛失・盗難には普段から対策を
図2 大切なデータの紛失・盗難はダメージが大きい。そうならないように、あるいはそうなったとしてもダメージを最小限に抑えられるように、普段から対策しておきたい
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