IDC Japanは2013年1月7日、国内ITサービス市場でのベンダー売り上げを産業分野別に調査、ベンダーの競合状況を発表した。

 IDCでは、産業分野を金融、製造、流通、通信/メディア、政府/公共、その他の6分野に分けている。2012年3月期のITサービスベンダーの売り上げでトップ5となっているのは、富士通、NEC、NTTデータ、日立製作所、日本IBMの5社。これらのベンダーは、すべての産業分野でトップ10に入ったという。

 IDCによると、国内ITサービス市場で1000億円以上の売り上げがある主要ベンダー11社の産業分野別業績は、全体としては回復傾向にあるものの、その回復は「まだら模様」だとしている。

 例えば、金融業向けでは、営業店系システムや地方金融機関のシステム更改需要などが市場を支えたが、大型案件の不在や全体的な投資抑制の影響で、金融業向けトップ10ベンダーのうちプラス成長を遂げたのは2社にとどまった。

 一方、製造業向けでは、システム更改に伴うITインフラの構築および最適化、BCPやディザスターリカバリー、グローバルなIT最適化などの需要により、製造業向けトップ10ベンダーのうち7社がプラス成長を遂げたという。

 ITサービス全体でプラス成長を遂げたベンダー5社も、政府/公共や金融業向け売り上げがプラス成長を支えたベンダー、スマートフォンの普及に伴う通信業向けの需要拡大を捉えたベンダー、流通分野の小口顧客を効果的に獲得したベンダーなど、要因はそれぞれ異なっている()。

図●国内ITサービス市場:成長率上位5ベンダーの売上額前年度比成長率と産業分野別寄与度(2012年3月期)
出典:IDC Japan(2013年1月7日)
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 IDCでは、マイナス成長となった多くのベンダーで、その要因が大型案件や主要顧客のIT支出の抑制にあるとしている。その一方で、従来と比較すると、より中型や小型の案件が好調の要因となったベンダーが多かったと指摘。金融や政府/公共分野を中心に従来見られた大型の案件は、一時的な要因で支出が増える分野はあるものの、中長期的に増加することは考えにくい状況だとしている。

 こうした「案件の小型化」への対応は、これまで大型案件や大型顧客を主要な収益源としてきた主要ベンダーにとっても重要な課題だとIDCは指摘している。