第12~15回と4回にわたって、この20年余りのPLM(Products Lifecycle Management)ツールベンダー側の展開戦略と、ユーザー側のPLM構築経緯や課題を中心に、「これまでのPLM」として流れを振り返ってみた。筆者自身はその前半15年ほどを使用者側として経験し、また直近の約5年は提供者側として過ごしてきたが、いまや「PLMは最近の経営者の関心を得るキーワードではなくなってきている」ことを痛感している。

 しかし、第11回まで述べてきたように、日本のものづくり企業が“イノベーティブな川上機能に強化・再構築”し直し、世界の競争を勝ち抜くためにも、PLMの戦略的なコンセプトを改めて理解し、自社のこれからに合った形で実現することが極めて重要になる。今回からはその思いを「これからのPLM」という主旨で書いてみたい。

「これからのPLM」概略

 「これからのPLM」について、“製造業に影響を与えるキーワード”、“PLMベンダーの動き”(筆者の主観)、そして“これからのPLMで実現すべきこと”を項目としてにしてみた。

表●これからのPLM
関係項目/時期
製造業に影響を与えるキーワード
PLM(CAD、PDM)ベンダーの動き
(筆者の主観)
これからのPLMで実現したいこと
(企業が展開すべき方向)
現在を含むこれから
◆日本のものづくり企業は[1]~[4]のどれかを選択し勝負
[1]グローバル水平協業の進化
・製造、組み立てだけでなく開発設計まで含め労働賃金の低い地域への EMS(Electronics Manufacturing Service)化が進展
[2]グローバル水平統合
・研究開発時点から戦略的な相互関係を築き共同化を進展(航空機から医療機 器、先端デバイスなどへも拡大)
[3]市場情報分析〔BigData、M2M(Machine-to-Machine)〕
[4]尖った垂直統合(宇宙、先端医療など)
◆モジュラー設計対応
◆“ものづくり”~“もの・ことづくり”多様化
◆PLMのクラウドサービス化
・費用低減
・中小企業への展開
・開発ベンダーの付加価値
◆複数の系にまたがる連携PLM
・機構系、エレキ系、ソフト系PLMの連携PLM
◆業界別(基準・規格を含む)対応ソリューション
・医療、食料品機器、一般消費財、化学、建築
◆要求管理機能の追加
◆ビューワー機能の強化
◆ノウハウ・ナレッジマネジメント機能の強化
◆新しいPLMビジネスモデルの拡大
・OSS(Open Source Software)、サブスクリプション・モデル
◆ものづくり企業の「開発~市場」までカバーするコンセプト・戦略としての展 開
◆川上機能の情報生成に役立ち、その情報の次工程での活用に役立つ
◆グローバルな「川上機能のローカル化」への対応
◆データ管理からプロセス、プロシージャ管理を主体とした形への進化
例:
◇業務プラットフォーム
・業務プロセスやプロシージャのプラットフォーム化
・業務プラットフォームのグローバル対応(技術移管と技術流出防止の両立)
◇モジュラー設計対応
・モジュラー設計の機能設計に対応した形状設計など
◆ビジネスプラットフォームとしての役割
・M2Mのライフサイクル・マネジメントへの組込み
◆ノウハウ再活用・創造支援ができること
・ノウハウ/知見⇒知恵
・BigData分析
◆PLMツール同士の連携強化(汎用性)

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