前回は、「これからのPLM(Products Lifecycle Management)」のコンセプトの展開を考えやすくする方法として、事業活動を3層と2フェーズで区分する方法を述べた。今回からはその続きとして、それを使った展開法を述べる。6つの区分を分かりやすくするために、本連載の前回(第19回)の図をのように簡略化し、それを基に説明していく。

図●これからのPLMの全体構造(概略)
縦軸は3層、横軸は2フェーズで整理する。
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「源流プロセス」の「業務層」で企業戦略・事業戦略を関係付ける

 本連載第11~13回で触れたように、「従来のPLM(製品ライフサイクル管理)」は、その初期には設計のCADデータや部品表データの管理(PDM:製品データ管理)という狭い目的から出発した。次いで、BOM(Bill Of Materials:部品表)による構成管理・マイルストーン管理・プロジェクト管理など、製品情報の統合管理に加えて部門間での情報連携にまで活用されるようになり、製造業のグローバルなオペレーションへの対応などのニーズにも応えてきた。しかし、そのアプローチはどうしてもシステム志向になりがちで、開発設計、生産技術のエンジニアから見ると、CADやCAEツールのデータ管理の仕掛けとしては理解・認知できても、自分たちの現場の日常業務の本質的な仕掛けや仕組み(プラットフォーム)と捉えてはくれない、というのが大方の実態であろう。

 筆者の定義する「これからのPLM」のコンセプトは、戦略志向、目的志向を旨としており、最初にすべきことはPLMを戦略、目的と完全に関係付けることである。この点が従来のアプローチと異なるところであり、これを実行すべき適切な機会が、前回において“創造的な情報生成層”と呼んだ「源流プロセス」の「業務層」、即ちの[1]で示す区分である。

 この、戦略との関係付けのイメージを以下に示す。製品やサービスの提供を生業とする製造業は、世の中のニーズ変化を反映させるべく、自社状況を踏まえたポートフォリオ戦略、全社経営戦略、全社戦略などを策定する。それらを受けて、各事業ユニットはの「源流コンセプト」の上部に示すように、自事業の戦略にブレークダウンする。図中に示したビジネス戦略と製品開発戦略の2つについて説明する。

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