「設計の成果を3次元データとして残しているのに、なぜ(従来通りの)2次元図面も作らなければいけないのか」。これは、3次元CADを活用している設計現場から聞こえてくる代表的な不満の1つだ。設計を3次元化したら2次元図面はなくなるはずだったのに、現実は違った。

 設計現場で2次元図面を作るのは、後工程からの要望によるところが大きい。3次元データには2次元図面をはるかに超える情報が盛り込まれている。にもかかわらず、後工程での使い勝手は2次元図面よりも劣る。そこで、「2次元図面が欲しい」とせがまれるのだ。

 3次元データの使い勝手が劣る第1の理由は、情報量が多すぎること。言い換えれば、後工程の担当者にとって不要な情報が詰まりすぎている。故に、「2次元図面と比べて、必要な情報をより分けるのが大変になる」(三洋電機生産技術本部開発プロセス革新部設計システム課課長の前田剛氏)。

 第2の理由は、必要な情報を確認するのに、手間がかかること。3次元データは、CADやビューワを起動して画面に表示させなければ、情報にアクセスできない。そればかりか、3次元データでは形状に対していちいち寸法を付けないので、「CAD/ビューワ上で『寸法を計測する』といった操作が必要になる」(同氏)こともある。一方、2次元図面の場合には、紙であればパソコンの起動は不要だし、寸法については紙でもデータでも明示的に表現されている。

 だからといって、3次元データに加えて2次元図面を作り続けていたら、設計現場は疲弊してしまう。開発期間の短縮、一層のコストダウン、日増しに厳しくなる品質要求や環境規制への対応など、設計現場はただでさえ忙しいからだ。設計を3次元化したのであれば、設計情報の伝達方法もそれに合わせて見直す。実際、設計者の負荷軽減に取り組むユーザーでは、“2次元図面レス”を達成しつつある。

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