データ量が増大する昨今、従来と同じ方式でバックアップをすることが困難になってきた。バックアップの真価はデータのリストア時にある。重複排除技術をバックアップに取り入れることで、データ増の課題を解決するだけでなく、データの信頼性を高めることができる。

 今回のテーマはバックアップである。データを効率的にバックアップするには、重なりのあるデータを取り除く「重複排除」技術を搭載したディスクストレージが有効だ。併せてバックアップ先をディスクにするメリットも紹介する。

 デジタルデータが日々増大していることはこの連載でも何度か取り上げている。バックアップとなると、データ量はさらに増し、大容量のストレージが必要となる。

 例えば、10テラバイトのデータをバックアップする場合、2世代のフルバックアップを取ろうとすると2倍の20テラバイト、3世代のフルバックアップであれば3倍の30テラバイトの保存容量が必要となる。

 従来のバックアップ環境では、対象となるデータ量が増えれば、データ保存容量も単純にその分だけ増える。そのため、大きな投資が必要となるだけでなく、運用工数も増えていく。増え続けるデータを効率的にバックアップすることは、今後のIT運用が目指すべき一つのテーマだ。

バックアップ・サイロが問題に

 バックアップの方式は、システムごとに異なる方式で実装されていることが少なくない。例えば、ファイルについてはストレージの機能を利用してクローンやスナップショットを取得、ヴイエムウェア環境では仮想マシンのスナップショットを取得、Oracle環境ではデータベースの機能でバックアップを取得、といった具合だ。

 こうした整理されていないバックアップ環境においては、様々な課題が発生する可能性がある。例えば、あるシステムは24時間バックアップのジョブが動いているが別のシステムだと1~2時間で終了していたり、同じデータベースのバックアップをOracleとバックアップサーバー経由の両方で保存したりしている。また、リストアが必要になっても、どのデータから戻せば良いか分からず、復旧までに時間がかかることもある。これら複雑なバックアップのシステムはバックアップ・サイロという状況になっている。

 また、バックアップ先という観点では、ディスクまたはテープのどちらかを選択することになる。選択基準は、サービスレベルと予算の兼ね合いだ。バックアップ/リストアの性能や運用の手間という点ではディスクの方が優れているが、導入コストを抑えるためにテープを選択するケースもある。

重複排除技術を活用する

 最近、バックアップシステムでは重複排除技術が普及してきた(図1)。一般的なバックアップシステムは複数の世代を取得するが、実際にはほとんど同じデータを繰り返しテープやディスクに保存している。

図1●重複排除技術を使ったバックアップ
図1●重複排除技術を使ったバックアップ
バックアップデータを保存するために必要なディスク容量や、ラックスペースを大幅に削減できる

 一方で、限られた予算の中で、調達できるテープの数やストレージの容量に制限がある場合もある。このような環境では、限られた容量の中で何回バックアップを取ることができるかというように、制約の中でバックアップポリシーを決めざるを得ない。そのために、事業継続に必要なバックアップを取れていないようでは、本末転倒である。制約のある環境でも、重複排除技術を活用すれば、必要なディスク容量を大幅に削減することができるため、事業継続に必要なバックアップ世代数のデータを保存できるようになる。

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