フラッシュメモリーを搭載するストレージが増えている。コストおよび信頼性に懸念があったフラッシュだが、最新テクノロジーが課題を解決してきた。SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に加え、オールフラッシュアレイなどの登場で、業務要件に合ったフラッシュメモリーの活用が可能になってきた。

 データアクセス技術の進歩は目覚ましい。業務効率向上の観点から、性能を引き上げるための最新技術をウオッチしておきたい。ストレージ分野で最新トレンドとして注目されているのがフラッシュメモリーの活用だ。最終回となる今回は「サーバーフラッシュテクノロジー」を中心に、ビジョンも含めて紹介する。

フラッシュで性能ギャップを埋める

 フラッシュメモリーの採用が進んできた背景には、システムを構成するコンポーネント間の“性能ギャップ”を解消したいというニーズがある。

 CPUのパフォーマンスは、インテルなどの技術革新により、10年ごとに100倍以上に向上している。一方、ハードディスクを使ったストレージは、もはや画期的な技術革新も難しく、パフォーマンスは頭打ち。CPUとの性能ギャップは開くばかりだ。

 両者のギャップを埋めるために脚光を浴びているのが、記憶媒体としてフラッシュメモリーを利用する技術である。フラッシュ技術は、ムーアの法則に従い、CPUの開発と同じ速度で進化し、性能ギャップを埋めることを実現している(図1)。

図1●性能のギャップを埋める
図1●性能のギャップを埋める
CPUの性能が10年ごとに100倍向上しているのに、ハードディスクの性能向上は頭打ちだ。フラッシュメモリーであれば、CPUの性能向上に追随できる

高コストのメモリーは局所に利用

 ストレージへのデータアクセスの遅さは以前から指摘されていた。ハードディスクの読み込みや書き込みに時間を要し、“I/Oネック” と呼ばれることも少なくない。

 データアクセスを高速化するために、サーバー内にメモリーバッファーを追加し、プログラムやデータベースのインデックスなど、アクセスは頻繁だが容量の大きくないデータを配置する手法が活用された。また、オールフラッシュアレイの先駆けとして、半導体ストレージを使用し、より高速にアクセスしたいデータを保存することで、非常に高い性能を求められる業務要件に対応する手法もあった。

 ただし、こうした手法を活用する際に課題として立ちふさがったのがコストである。メモリーバッファーや半導体ディスクは数億円に上ることもあり、数十メガバイトのデータを対象に局所的に用いられることが多かった。

IOPSで費用対効果を比較

 現在まで、様々なメーカーが、エンタープライズ環境に対してフラッシュ技術の適用を模索している。例えば、EMCがエンタープライズストレージにフラッシュ(SSD)を採用したのは2008年のことだ。このときのキャッチコピーは、「スループット(IOPS)で最大30倍、レスポンスタイムで最大10倍短縮」であった。ただし当時のSSDは、FC(ファイバチャネル)ドライブとの価格差が約40倍あり、非常に高価なものだった。

 ところが2009年になると、SSDの価格は前年比で75%安くなり、40倍あった価格差は8倍にまで縮まり、エンタープライズ環境でもフラッシュの需要が高まってきた。その後もフラッシュの価格は、毎年40%下落する傾向にあり、5年後の2018年にはギガバイト単価が1ドルになると予想されている。今後、フラッシュの需要はさらに拡大していくとみられる。

 ただ一口にフラッシュ採用といっても、製品にはいくつか種類がある。フラッシュ技術と一般的なハードディスクを容量単価で比較すると、フラッシュ技術は高価だ。しかし、少ない容量でIOPSは非常に高いので、IOPSを基準に考えるとPCIeサーバーフラッシュの費用対効果が最も高い(図2)。全体的な業務要件を考慮して、適材適所のデータ配置を考慮したインフラ環境への投資を想定すると、必ずしも“フラッシュ=高価”という図式は当てはまらない。

図2●性能と価格で使い分ける
図2●性能と価格で使い分ける
性能の高い順に、「PCIeフラッシュカード」「SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」「ハードディスク」という選択肢がある。容量やIOPSの単価を考慮し、適材適所で使い分ける

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