OSとパソコン本体のライフサイクルは異なる。実はこの“ギャップ”が、Windows XPから新OSへの移行作業に臨むユーザー企業にとって、思わぬネックになっている。富士ソフトでソリューション事業本部MS部部長を務める森本真里氏に、OS移行に取り組む企業の状況を聞いた。

(聞き手は鈴木恭子=ITジャーナリスト)


顧客のOS移行状況を教えてください。

写真●富士ソフト ソリューション事業本部 MS部 部長 森本真里氏
[画像のクリックで拡大表示]

 当社には大企業から中堅・小規模まで数千社のお客様がいらっしゃいますが、今でも多くがWindows XPを利用しています。もう少し詳しく見ていくと、お客様の社内には大きく2種類のXPパソコンが混在している状況です。一つはXPがプリインストールされた古いパソコン。もう一つは、Windows 8/7/Vistaに対応している比較的新しいパソコンですが、OSをXPにダウングレードして使っているものです。このうち、お客様の悩みがとりわけ大きいのは、後者のダウングレードパソコンです。

 XPプリインストールの古いパソコンは、スペックの観点からパソコン本体を維持したまま新OSへアップグレードするのが難しいため、「新規にパソコンを購入する」といった決断を簡単に下せます。ところが、社内システムやアプリケーションの稼働環境の関係でOSをXPにダウングレードしたパソコンについては、購入後1~2年しか経過していないのでスペックは問題ない。そのうえ、Windows 8やWindows 7のライセンスは既に所有しています。それでも新規パソコンに買い替えるか、それともパソコン本体を残したままOSをアップグレードするか、その判断が難しいのです。

手間やコストを比較したら自然と一方の方法に落ち着く、といった単純な話にはならないのですか。

 いったんXPにダウングレードしたパソコンのOSをWindows 8やWindows 7にアップグレードするにも一定の作業が必要です。ハードディスク内にあるデータをいったん別の場所に退避させてから、OSやアプリをインストールし直し、ネットワークなど各種の設定をした後にバックアップしておいたデータをリストアしなければなりません。こうした作業にはパソコン1台あたり5時間ほどかかります。

 作業の負担を軽くするためにキッティング・サービスを利用すれば、その分のコストが発生します。各地に分散して営業所を構えているお客様の場合、交通費や人件費まで加味すると、OSのアップグレードにも新規パソコンの購入と同じくらいの予算が必要になります。それで「買い替えたほうがよいのか」と悩んでしまうわけです。

OSのライセンスも高スペックのパソコンもあるのに、もったいない…。

 移行が必要なパソコン全体で見れば、OSをダウングレードして使っているものはそれほど多くありません。しかし、お客様のニーズは間違いなくあります。そこで当社は2012年7月に「らくらくアップグレード for Windows」を発表しました。Windows 8/7/VistaからXPへダウングレードしたパソコンや、Windows 8/7のシステム要件を満たしているパソコンを、短時間で簡単にアップグレードできるようにするサービスです。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。