データセンター部門では、NTTコミュニケーションズ、富士通、KDDIの3サービスを選出した(表1)。

表1●データセンター部門のベストサービス
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 最も総合スコアが高かったのは、NTTコミュニケーションズの「Nexcenter」(68.1)である。6分野のうち、「料金」を除く5分野で満点を得た。同社のデータセンターサービスの名称は以前、「NTTコミュニケーションズ データセンター」だったが、2013年4月に変更された。全世界約140拠点にセンターを展開する、首都圏の複数拠点を高速大容量回線で接続する「首都圏マルチデータセンター」によって、災害時におけるBCP(事業継続計画)対策を行うなどが特徴だ。

 富士通、KDDIのデータセンターサービスも、総合スコアでは他社に大きく水をあけている。富士通の「データセンターアウトソーシング」は66.3、KDDIの「KDDIデータセンターサービス TELEHOUSE」は65.4で、ベストサービスの選出基準となる62.5に比べると3以上高い。

 NTTコミュニケーションズ、富士通、KDDIの各社が提供するデータセンターサービスは安定的に高い総合スコアを得ているのも特徴だ。NTTコミュニケーションズのサービスは6回連続、富士通のサービスは5回連続、KDDIのサービスも4回連続でベストサービスに選出されている。

 これら3サービスは、国内および海外の法人ユーザー数に基づいて算出する「実績」に関する得点も高い。クラウドランキングでは前回、評価基準を厳しくしたが、今回選出されたサービスはいずれも10点または9点を獲得している。前回は選出した4サービスのうち2サービスが8点だったから、各社とも法人ユーザー数が増加していることが分かる。

 データセンター部門でも総合スコアが62.5未満だが評価の高い6サービスを「その他の高評価サービス」として掲載した。NEC、インターネットイニシアティブ(IIJ)、富士通エフ・アイ・ピー、日立製作所、SCSK、NTT東日本、NTTデータの各サービスがある。

国内外に複数の拠点を展開

 データセンター部門では「規模」「建物性能」「ネットワーク」「料金」など6分野について各社のサービスを評価した。

 「規模」では、各社のサービスについて国内外のデータセンター拠点数や所在する地域の広さを評価している。ベストサービスに選出されたサービスでは「規模」に関する得点が基本的に高い。選出された3サービスでは、国内30拠点以上、海外5拠点以上を利用できる。所在する地域についても、選出された3サービスは海外では「北米(米国・カナダ)」「ヨーロッパ」「中国」「中国を除くアジア」と幅広い地域で利用できる。NTTコミュニケーションズのNexcenterは中南米、オセアニア、中東、アフリカまでセンターを展開している。

 「建物性能」分野では、調査対象事業者の代表的なデータセンターについて、所有形態、耐震性能、外部機関によるセキュリティ監査・認証などを評価した。

 NTTコミュニケーションズは「横浜第1データセンター」、富士通は「館林システムセンター」、KDDIは「TELEHOUSE TOKYO Tama」についてそれぞれ評価している。これら3センターの評価は基本的に高い水準にある。例えば、耐震性能については震度7クラスまで耐えられる。外部機関によるセキュリティ監査・認証については、3センター全てが「ISO27001/ISMS」「ISO/IEC20000」の認証を受けていた。

 違いは1平方メートル当たりの床荷重や非常用電源装置の冗長度などだ。床荷重は横浜第1データセンターが2000キログラム以上、館林システムセンターは1000キログラム以上1500キログラム未満、TELEHOUSE TOKYO Tamaは1500キログラム以上2000キログラム未満だ。非常用電源装置の冗長度は、横浜第1データセンターとTELEHOUSE TOKYO Tamaが、「2N(またはこれに相当もしくは超える仕様)」、館林システムセンターが「N+1(またはこれに相当する仕様)」である。

データセンター部門の調査内容

 データセンター部門の調査項目は合計32。各項目は(1)サービス内容関連、(2)規模関連、(3)建物性能関連、(4)ネットワーク関連、(5)料金関連、(6)保守サポート関連、(7)実績関連の7分野に分かれる。全体で100点満点となるように評価し、平均値が50、標準偏差が10となるように標準化して総合スコアを算出した。小数点第2位以下までを見て総合スコアが62.5以上だったサービスを「ベストサービス」として認定した。

【調査項目】

(1)サービス内容関連(配点なし。内容確認のために利用)
サービスの内容

(2)規模関連(20点)
国内のデータセンター拠点数、国内のデータセンター所在地、海外のデータセンター拠点数、海外のデータセンター所在地、全データセンターの延床面積

(3)建物性能関連(34点)
対象データセンター名、所有形態、耐震性能、外部機関によるセキュリティ監査・認証、1平方メートル当たりの床荷重、天井高、床下高、1ラック当たりの実効電源容量、電源供給経路の冗長度、非常用電源装置の冗長度、非常用電源装置の供給可能時間

(4)ネットワーク関連(16点)
接続可能なインターネット回線事業者、接続可能な閉域網回線事業者、提供可能なネットワーク付加サービス、IPv6接続サービスの提供

(5)料金関連(8点)
最小構成時の初期費用、最小構成時のラック月額使用料金とその内容、最小構成時の回線使用料金とその内容、最低契約期間

(6)保守サポート関連(12点)
サポート時間、提供している運用アウトソーシング、専任担当者のアサイン

(7)実績関連(10点)
日本国内における法人ユーザー数、全世界における法人ユーザー数

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