露カスペルスキーのCTO(最高技術責任者)を務めるニコライ・グレベンニコフ氏に、研究・開発戦略や今後の方針などを聞いた。コンシューマー向けだけでなく企業市場にも注力しており、「世界的に脅威が叫ばれる今こそ、日本のユーザー企業にはセキュリティに対する戦略的なパートナーが必要になる」と話す。今後はスマートフォンなどモバイル端末を使ったオンライン取引の増加でさらなるセキュリティの強化が重要になると、特に日本の金融市場に強い関心を示す。

(聞き手は大山 繁樹=ITpro

研究・開発体制はどう変わってきているのか。

写真●露カスペルスキーのCTOを務めるニコライ・グレベンニコフ氏
[画像のクリックで拡大表示]

 研究・開発部門には1000人以上の社員がおり、ロシアだけでなく、米国や中国、日本と拠点は分散している。アンチマルウエアからフィルタリング、スパム、DLP(情報漏洩対策)、ホワイトリスト型ソフトなど扱う分野は増えてきている。

 しかもウイルス対策だけではなく、ICTの広がりにつれてモバイル関連はもちろん、システムマネジメントや暗号化、仮想化なども対応するようになった。さらにコンシューマー市場から、企業向け市場に向けた開発体制へとシフトしている。

 セキュリティに関してグローバルに調査・分析するのも役割だ。結果をいち早く公表し、危険性について警告するのが、以前にも増して重要になってきている。

日本の企業向け市場の開拓では、どの分野に注力するのか。

 オンライン取引が安全に実行できるように、特に金融関連のマーケットを攻めていきたい。海外の金融機関では既にスマートフォンなどモバイルで取引するのが大きなトレンドになっている。これは米国やアジア、中東や中南米など、どこの市場でも同じだ。当然、セキュリティが非常に重要になる。

 日本でも今後、モバイルによる取引が主流になると思われるので、こうした分野のセキュリティソリューションとして、当社の優位性を示していきたい。大手だけでなく中小の金融機関でさえ、生き残りをかけてサービスの向上にまい進している。中小の金融機関のほうが、むしろ大手より関心が高いかもしれない。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。