Linuxサーバーで動くアプリケーションをそのまま使える、独自のネットワークOSや半導体チップを使わない、それでいて世界最速を実現──こんな常識外れとも言えるネットワークスイッチを提供する新興企業が注目を集めている。その名は米アリスタネットワークス。コンピュータの常識を変え得る同社の取り組みを見ていく。

 2007年に創業した、従業員数500人強のネットワーク機器ベンダー、米アリスタネットワークス。日本ではまだ知名度が低いこの会社に対し、欧米企業が熱い視線を注いでいる。

 既に投資信託大手である米フィデリティグループ傘下であるKVHや、金融機関の顧客が多い米エクイニクスといったデータセンター事業者が同社製品を導入。米マイクロソフトも2013年6月に、クラウドサービス「Windows Azure」のデータセンターで、アリスタの製品を導入していると公表した。

 アリスタに注目が集まっているのは、同社がネットワーク通信を処理する「スイッチ」機器の分野で、従来のイメージを覆す画期的な製品を生み出したからだ(図1)。しかも同社は、スイッチ分野にとどまらず、コンピュータの常識そのものを覆す“革新”すら起こし始めている。

図1●アリスタネットワークスに注目すべき三つの理由
図1●アリスタネットワークスに注目すべき三つの理由
2007年に創業し、2009年に最初の製品を出荷したアリスタネットワークスが、ネットワーク業界に大きな変化の波を起こしている

 いったいアリスタの何がすごいのか、詳しく見ていこう。

スイッチをホワイトボックス化

 アリスタの一つめの革新は“世界最速スイッチ”を「ホワイトボックス」で実現したことだ。ホワイトボックスとは、スイッチの心臓部であるスイッチングチップ(パケットの転送処理を行う半導体)のような特定用途の半導体(ASIC)として、誰でも購入できる「マーチャントシリコン」だけを利用した機器を指す。

 これまで大手スイッチメーカーは、スイッチングチップを自社開発して、性能を競ってきた。これに対しアリスタは、米インテルや米ブロードコムといった半導体メーカーが販売するスイッチングチップだけを採用。それでいて「最も遅延が短い10ギガビット・イーサネット・スイッチ(10Gスイッチ)」などを、他社に先駆けて、しかも安価に実現してきた。

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