「14年間かけて構築してきたプラットフォームを『モバイルファースト』『APIファースト』『フィードファースト』に向けて一新する」。米セールスフォース・ドットコムが2013年11月19日に発表した新プラットフォーム「Salesforce1」()について、同社共同創業者・テクノロジー統括責任者のパーカー・ハリス氏はこう表現する。

図●セールスフォースの新プラットフォーム「Salesforce1」の構成
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 図のように同社のサービスを4層に整理して位置付け、SalesCloudやService Cloudの利用環境のモバイル移行を一気に進める。そのためにiOSやAndroidを主な対象とした新たなAPIを用意、同社のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「Force.com」や「Heroku」をモバイルアプリから利用できる環境を整える。用意したAPIは従来の10倍もの数になる。

 もう一つの大きな変更点が、SNS的なフィード(入力欄)を提供する「Chatter」を、サービスの入り口となるプラットフォームと位置付けたこと。Chatterアプリの名称もSalesforce1アプリに変更した。この点について、同社会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏は「日本の『LINE』から学んだ」と述べる。LINEはもともと無料通話・チャットツールとして登場したが、今やゲームやマーケティング用途など様々なサービスのプラットフォームになっている。Chatterも業務用途で同様の進化を遂げた格好だ。

 こうした変化の一方で、同社が進めているのが大規模顧客への対応である。米ヒューレット・パッカードと提携し、マルチテナント環境における専用インスタンス(実行環境)「Salesforce Superpod」を共同開発。特定の実行環境でシステムを運用したい企業の要望に応える。業種別ソリューションも展開する。自動車、メディア、運輸、ハイテク、ヘルスケア、小売の6分野に重点を置く。日本でも業種別展開を予定しており、新たな競争の火種になりそうだ。