DevOps時代における運用側の一つ目の役割は、上流工程への参画である。これは、運用部門がシステム開発プロジェクトに参加し、自ら運用品質を作り込むものだ。

 「これまで“支援”という形が多かったが、真に運用品質を高めるには、運用を知り尽くすメンバーが直接、上流工程を手掛ける必要がある」。こう指摘するのは、野村総合研究所の北山 誠氏(データセンターマネジメント本部 運用マネジメント部 上級システムエンジニア)である。同社では、運用業務を請け負うシステムの開発プロジェクトには、必ず運用部門のメンバーが参画する。それも開発側への単なる支援ではない。自ら上流工程の要件定義や設計を手掛けている。

 プロジェクトで実施する作業は、WBS(Work Breakdown Structure)として明確に定義。具体的には、一般にインフラ構築の一環として実施されることが多い、運用に関する作業を「運用構築」プロセスとして切り出す(図1)。これをアプリケーション開発やインフラ構築のメンバーとは別に、運用チームのメンバーが直接担うというわけだ。

図1●運用部門が上流工程から参画する
運用品質の作り込みは、開発部門任せではおぼつかない。野村総合研究所の北山 誠氏らは、自ら上流工程から参画し、運用品質の作り込みと検証のプロセスを実施している
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 運用構築プロセスは「システム運用要件定義」や「システム運用サービス設計」「システム運用業務詳細設計」「運用訓練」など、全部で七つのフェーズに分かれる。「内部統制上の問題は、役割を明確に分ければ避けられる」と北山氏。監視アラートの発行方法や、バックアップの方式、ディスクの容量など、実運用を担当しないと設計しにくい作業項目はいくつもある。「運用構築プロセスを運用の専門家が手掛けることで、運用品質を確実に高められる。開発側の負担も大幅に軽減できる」(北山氏)という。

 NTTデータSMSでも、運用部門が開発プロジェクトに直接参加している。同社の場合、プロジェクトの開始から終了まで、20の工程から成る運用構築プロセスを策定している。このプロセスの標準化に当たった同社の?橋弘樹氏(ITSM推進本部 ITSM推進室 ITSM推進担当 ITSM技術担当 シニアエキスパート)は「関連するドキュメントの整備や、作業を効率化するテンプレート、ツール類、用語集の準備も不可欠」と話す。運用側がプロジェクトに参加するには、プロセスだけでなく、こうした方法論の標準化も必要だ。

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