米Amazon Web Services(AWS)がサービス強化を加速させている。操作ログの取得、簡易なディザスターリカバリー(DR)など、エンタープライズ向けの強化が進む。仮想デスクトップサービスや、ストリーミングデータの高速処理サービスへの参入にも注目が集まる。

 米Amazon Web Services(AWS)は2013年11月11日~14日(米国現地時間)に米ラスベガスで開催した年次イベント「AWS re:Invent 2013」において、新サービスや既存サービスの強化を次々と発表した(表1)。

表1●米AWSが年次イベントで発表した主な新サービスとサービス強化
ログ取得や災害対策などエンタープライズ向けのサービスを強化した。2013年11月開催の年次イベント「AWSre:Invent 2013」で発表した
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 エンタープライズ分野のユーザーに有用な新サービスとしては、AWSの操作ログを取得するサービス「Amazon CloudTrail」、ストリーミングデータのリアルタイム処理サービス「Amazon Kinesis」、仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」などがある。さらに既存サービスの強化としては、災害対策に有用な「Amazon RDS:Cross-Region Read Replicas」、DBサービスのAmazon RDSでPostgreSQLを使えるようにした「Amazon RDS PostgreSQL」といったものがある。これまでは、Oracle Database、Microsoft SQL Server、MySQLという3種類のDBMSのみが利用可能だった。

 一連のサービス拡充についてアマゾン データ サービス ジャパンの玉川 憲氏(技術本部 本部長)は「特定分野だけでなく、全方位的にサービスを拡充している。もちろんエンタープライズ分野でも、続々と新サービスを出していく」と話す。

 以降で、前述した五つの新サービス/サービス強化を順に解説する。

3種類の操作ログが取得可能

 一つめは、Amazon CloudTrailだ。エンタープライズ分野のユーザーにとって最も重要な新サービスだろう。AWS関連サービスを手掛けるサーバーワークスの大石 良氏(代表取締役)は「監査などで操作ログが必要になるエンタープライズ系のユーザーには非常に有用なサービスだ」と話す。

 CloudTrailを使うと、仮想サーバーの「Amazon EC2」やDBサービスの「Amazon RDS」などAWSの主要サービスに対する操作ログを取得できる。取得可能なログは3種類。管理画面からの操作、コマンドラインによる操作、他のアプリケーションからAPI経由で実行される操作である(図1)。対象サービスの利用者であれば、CloudTrailは無料で使える。

図1●AWS CloudTrailで三つの操作のログ取得が可能になった
管理画面、コマンドライン、APIの操作ログを取得できる
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 これまでは、断片的なログしか取得できなかった。例えば、EC2インスタンス(仮想サーバー)のOSのログは取得できたが、EC2インスタンスを消去すると、ストレージなどに書き出さない限り、そのOSのログも失われた。しかも、いつ誰がそのEC2インスタンスを消去したのかが分からなかった。

 そこでAWSの全操作ログを蓄積するために、サードパーティーのログ取得サービスを利用したり、操作用サーバーを独自に構築してそのサーバーからAPI経由で操作したりするユーザーもいた。CloudTrailを使えば、こうしたコストや作り込みを省ける。

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