ファクトリーオートメーションの商材を扱う三菱電機 FAシステム事業本部は、Webサイトのリニューアルを機に、サイト上のコンテンツをマーケティングに活用し始めた。具体的には、Webサイトにアクセスしてきたユーザーの興味や関心を分析し、別の部隊が電話でフォローアップする。そこで顧客と信頼関係を築き、適切なタイミングでホットな顧客情報(リード)を営業部門に引き渡す仕組みだ。
 同社は、ファクトリーオートメーション分野で約30カテゴリーの商材を扱っており、その多くは国内で高いシェアを獲得している。それだけに、“顧客は待っていれば来る”という雰囲気が一部にあったという。Webを活用したマーケティングを始めた今は、攻めの営業に転じている。Webサイトのリニューアルを指揮した三菱電機 機器計画部 Web推進グループマネージャーの赤塚 成啓氏に話を聞いた。(聞き手はITpro Active編集 菅井 光浩)

FAシステム事業本部のWebサイトをリニューアルした目的は何でしょうか。

 大きく2つの目的があります。一つが、それまで製品カテゴリーごとにバラバラに開発・運用していたWebサイトを統合して、ガバナンスを強化することです。FAシステム事業本部が取り扱う商材は、安価なものは数百円、高価なものは数十億円超と幅が広く、担当する営業部門も複数に分かれています。以前は、各営業部門の中にWebサイトの運営チームがあったため、Webサイトのデザインなどが担当する営業部門ごとにバラバラでした。その状態を正すため、FAシステム事業本部としてWebサイトを開発・運用するためのルールや仕組みを構築しました。

 もう一つの目的が、Webサイトをマーケティングに活用することです。我々の顧客の多くは、製造装置を設計したり作ったり使ったりする技術者です。そのため、Webサイトのコンテンツは製品マニュアルなど技術者向けの情報がほとんどでした。それはそれでユーザーの評価は高かったのですが、Webサイトをマーケティングに活用するという視点は、それまでありませんでした。

マーケティング活動にWebサイトを活用しようと考えた背景を教えてください。

 FAシステム事業本部は約30カテゴリーの商材を扱っていますが、 その多くは国内で高いシェアを獲得しています。そのため、一部の営業部門では「顧客は待っていれば来る」といった待ちの風潮がありました。その結果、Webマーケティングを活用する競合他社に、一部の商材で顧客を奪われていきました。その事実を知った幹部社員が危機感を募らせたことで、Webマーケティングの施策が本格化しました。

どのような観点でWebサイトをリニューアルしたのですか。

 まず、できるだけ長くWebサイトに滞在してもらえるように、コンテンツそのものを見直しました。Webサイトにアクセスしてくるユーザーは2つに大別できます。一つは課題や目的がハッキリ分かっているユーザー。その人は一直線に必要なコンテンツを閲覧していきます。もう一つは、課題が何なのかを整理している途中のユーザー。そうした人は、課題解決のヒントを探すためWebサイト内を回遊します。従来のWebサイトには、後者向けのコンテンツがほとんど無かったのです。

三菱電機 機器計画部 Web推進グループマネージャーの赤塚 成啓氏。
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 そこで、ユーザー事例を拡充しました。ニッチな事例ではなく、FAシステムの業界をモデル化したような、多くの人に読んでもらえる事例を探して載せました。併せて、分かりやすいFAQサイトの充実にも力を入れました。従来、技術者が読むことを前提に難解な表現を含むコンテンツが多かったのですが、平易な表現に見直し、キーワード数も2000個から5000個に拡充しました。さらに、「FA羅針盤」という名称のサブサイトも作りました。「思考力」や「発想力」「仕事の効率」といったキーワードが含まれるコンテンツを増やすことで、検索エンジンを経由して技術者以外の人がWebサイトに流入するのを増やすのが狙いです。

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