ヤマハの「vRX」は、サーバー仮想化環境で動作する、仮想アプライアンス型のルーター機器である。ヤマハが提供しているハードウエア型のルーター機器と、ソフトウエアの大半を共通化している。ヤマハのハードウエア型ルーター機器で利用できるコマンドの大部分を、そのまま利用できる。
ハードウエア型のルーター機器と違い、スペックが固定されていない。そのため、導入するライセンスの変更によって、通信速度やVPNの接続拠点数といったスペックを拡張できる。例えば、導入時には10Mビット/秒だった通信速度を10Gビット/秒に拡張したり、VPN接続拠点数を10から1000に拡張したりできる。
仮想アプライアンスなので、1台の物理サーバー機の上で、複数の仮想ルーター機器を運用できる。事業の成長に応じて、ハードウエアよりも手軽にルーター機器を拡充できる。また、高スペックな物理サーバー機と広帯域ライセンスを組み合わせることで、高い性能の仮想ルーター機器を運用できる。
ラインアップは、AWS(Amazon Web Services)上で動作する版と、VMware ESXi上で動作する版がある。VMware ESXi版の場合、仮想ルーター機器を他の仮想サーバー機と同様にVMware vCenter Serverから一元管理できる。
vRXの概要
用途と機能 | サーバー仮想化環境で動作する、仮想アプライアンス型のルーター機器 | |
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特徴 | ヤマハが提供しているハードウエア型のルーター機器と、ソフトウエアの大半を共通化している。ヤマハのハードウエア型ルーター機器で利用できるコマンドの大部分を、そのまま利用できる | |
スペックの拡張 | 導入するライセンスによって、通信速度やVPNの接続拠点数といったスペックを拡張できる。通信速度は最小が10Mビット/秒で最大が10Gビット/秒。VPN接続拠点数は最小が10で最大が1000 | |
ラインアップ | AWS(Amazon Web Services)上で動作する版と、VMware ESXi上で動作する版がある。VMware ESXi版の場合、仮想ルーター機器を他の仮想サーバー機と同様にVMware vCenter Serverから一元管理できる | |
仮想ルーターの仕様(VMware ESXi版の場合) | 項目 | 最大値 |
LANインターフェース数 | 4 | |
IPv4スループット | 20Gビット/秒 | |
IPsecスループット | 2Gビット/秒 | |
VPN対地数(IPsec) | 6000 | |
VPN対地数(マルチポイントトンネル) | 100 | |
VPN対地数(L2TP/IPsec) | 1000 | |
VPN対地数(L2TPv3/IPsec) | 99 | |
VPN対地数(最大設定可能数) | 6000 | |
価格(税別) | 上限速度10Mビット/秒の最小構成で年額1万6500円、上限速度10Gビット/秒の最大構成で年額200万円など。オプションのVPN接続ライセンスは、最小構成の10対地で2万円、最大構成の1000対地で156万円など | |
発表日 | 2020年11月18日(VMware ESXi版)、2019年8月(AWS AMI版) | |
提供開始日 | 2021年1月(VMware ESXi版)、2019年9月(AWS AMI版) |