日本ヒューレット・パッカードの「HPE Container Platform」は、Kubernetesをベースとしたコンテナ基盤ソフトである。Kubernetesによるコンテナのデプロイや管理に加え、データ分析ミドルウエアをデプロイしやすくする機能や、データを永続ストレージに保管する機能を搭載している。
具体的には、以下の三つのソフトを組み合わせた製品となる。
- コンテナを配備するオーケストレーションソフトのKubernetes
- ストレージI/O高速化などの機能を持つ米BlueData(米HPEが買収)のソフト
- 永続ストレージにデータを保存する機能を持つ米MapR Technologies(米HPEが事業資産買収)のMapR分散ファイルシステム
米BlueDataのソフトは、ポータル画面からセルフサービス型でHadoopクラスタなどを調達できるオーケストレーション機能「ElasticPlane」、共有ストレージを使うためのストレージ接続機能「DataTap」、ストレージI/O性能をキャッシュ技術によって高める機能「IOBoost」などで構成する。
BlueDataのソフトを使うことで、Hadoop、Spark、Kafka、Cassandraといった、ビッグデータの格納・処理に向いたミドルウエアを、コンテナ技術を使って迅速にプロビジョニングできるようになるとしている。
一方、MapR分散ファイルシステムを使うと、コンテナが利用するデータを永続ストレージに保管できるようになる。データベースサーバーなどのステートフルな既存システムをコンテナ環境に移行する用途に向く。
主に膨大なデータを扱うアプリケーションでの利用を想定している。AI、機械学習/深層学習、データ分析、エッジコンピューティング、IoTセンサーデータ分析などだ。これらの用途を含んだ企業の要求にコンテナを適用できるようにする。
HPE Container Platformの概要
用途と機能 | Kubernetesをベースとしたコンテナ基盤ソフト。Kubernetesによるコンテナのデプロイや管理に加え、データ分析ミドルウエアをデプロイしやすくする機能や、データを永続ストレージに保管する機能を搭載している |
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想定する主な用途 | AI、機械学習/深層学習、データ分析、エッジコンピューティング、IoTセンサーデータ分析など、膨大なデータを扱うアプリケーション |
ソフトウェア構成 | ・コンテナを配備するオーケストレーションソフトのKubernetes ・ストレージI/O高速化などの機能を持つ米BlueData(米HPEが買収)のソフト ・永続ストレージにデータを保存する機能を持つ米MapR Technologies(米HPEが事業資産買収)のMapR分散ファイルシステム |
米BlueDataのソフト構成 | ・ポータル画面からセルフサービス型でHadoopクラスタなどを構成できるオーケストレーション機能「ElasticPlane」 ・共有ストレージを使うためのストレージ接続機能「DataTap」 ・ストレージI/O性能をキャッシュ技術によって高める機能「IOBoost」 など |
MapR分散ファイルシステム | コンテナが利用するデータを、永続ストレージに保管できる。データベースサーバーなどのステートフルな既存システムをコンテナ環境に移行する用途に向く |
価格(税別) | CPUコアあたりのライセンス体系。金額は非公開 |
発表日 | 2019年11月 |
提供開始日 | 2020年5月14日 |