三菱地所は2020年1月24日、東京駅周辺地区の開発方針など30年に向けた長期経営計画を発表した。これまで手掛けてきた丸の内地区の開発を第1期、大手町地区の開発を第2期と位置付け、第3期に当たる次の10年間の開発では、6000~7000億円程度の投資をする。同社の吉田淳一社長は、「常盤橋地区や有楽町地区の開発を重点的に進める」と説明した。

2020年1月24日に会見を開き、東京駅周辺地区の開発方針を説明する三菱地所の吉田淳一社長(写真:日経アーキテクチュア)
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 有楽町地区の街づくりの方針について同社の谷澤淳一副社長は、「ソフトに関する取り組みを先行して実施し、ハードの整備に生かしていく」と話した。コンセプトは「文化芸術・MICEを核としたまちづくりのショーケース」だ。

有楽町地区の開発イメージ(資料:三菱地所)
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 東京駅の北側では、これまで発表してきた計画が20年以降に順次完成を迎える。28年3月期に竣工予定で、日本一の高さを目指す超高層ビル「東京駅前常盤橋プロジェクトB棟」や、25年ごろに竣工予定の超高層ビル「内神田1丁目計画(仮称)」などだ。

三菱地所が発表した東京駅周辺の主な開発(資料:三菱地所)
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東京駅周辺で進める開発のスケジュール(資料:三菱地所)
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 三菱地所は新規事業の開発にも力を入れる。新規事業を生み出すためにまず重視したのがSDGs(持続可能な開発目標)だ。SDGsといった社会的に共感を得やすいテーマを街として掲げることで、新規事業の開発を一緒に進めていくパートナーを街に呼び込む。東京駅周辺地区として、「CO2排出量0」や「廃棄物再利用100%」、「自然災害による都市機能停滞0」などの重要業績評価指標(KPI)を設定した。

 さらに新規事業の開発に向けて、様々な企業が交流する場を東京駅周辺地区に設けるとほか、実証実験の場所としても同地区を活用する。同社はこれまでも、ドローンや警備ロボットなどに関する実証実験の実績がある。

 吉田社長は、「実際に稼働している街でエネルギーや防災に関する取り組みを進めることに意義がある。東京駅周辺での取り組みを他の街に展開していけば、日本を変えていく起爆剤になる」と語った。