JR中野駅から北へ延びる中野通りは、東京における桜の名所の1つだ。2kmほど続く桜並木とその先の新井薬師公園では、春になると多くの人が桜の美しさに心を躍らせる。さらに進むと、桜のアーチの向こうに西武新宿線が横切る人気の撮影スポットがあるが、その光景は5年後に見ることができなくなる。

西武新宿線が中野通りと交差する箇所にある「新井薬師前第2号踏切」。桜のアーチの向こうに西武新宿線が横切る人気の撮影スポットだ。2019年3月に撮影(写真:大上 祐史)
西武新宿線が中野通りと交差する箇所にある「新井薬師前第2号踏切」。桜のアーチの向こうに西武新宿線が横切る人気の撮影スポットだ。2019年3月に撮影(写真:大上 祐史)
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 西武新宿線では、中井駅付近から野方駅付近までの約2.4kmについて、鉄道を地下化して道路と鉄道を連続的に立体交差化する「西武新宿線(中井駅―野方駅間)連続立体交差事業」が進んでいる。撮影スポットとなっている中野通りと交差する箇所の踏切も、この事業区間に含まれる。

新井薬師前駅の地下化工事の現場(写真:大上 祐史)
新井薬師前駅の地下化工事の現場(写真:大上 祐史)
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 同事業は、東京都が事業主体となって実施している。踏切除却による交通渋滞の解消などを目的とした「道路整備」の一環として施行する都市計画事業だ。都は西武鉄道と施行協定を締結し、同協定に基づいて西武鉄道が鉄道工事を行っている。全体事業費は約737億円で、国と都、中野区、西武鉄道が負担する。2027年3月末までの完成を目指す。

 連続立体交差化によって、中野通りを含む7カ所の踏切を除却して交通渋滞の緩和を図る。事業区間中にある新井薬師前駅と沼袋駅は地下化される。トンネルの構築に当たっては、地下から地上への移行区間となる取り付け部と駅部では開削工法で、駅間などの一般部ではシールド工法でそれぞれ掘削。シールドマシンは駅部を通過して掘削する。

「西武新宿線(中井駅―野方駅間)連続立体交差事業」の概要。西武新宿線は中井駅─野方駅間で補助第220号線、補助第26号線(中野通り)、中野区画街路第4号線の3本の都市計画道路と交差する(資料:東京都建設局)
「西武新宿線(中井駅―野方駅間)連続立体交差事業」の概要。西武新宿線は中井駅─野方駅間で補助第220号線、補助第26号線(中野通り)、中野区画街路第4号線の3本の都市計画道路と交差する(資料:東京都建設局)
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 事業は5工区に分かれている。各工区(区間)の施工者(延長)は、1工区(妙正寺川─新井薬師前駅)が鹿島・鉄建・戸田・五洋建設工事共同企業体(556m)、2工区(沼袋駅部)が大林・前田・フジタ・飛島建設工事共同企業体(166m)、3工区(沼袋駅部)が清水・熊谷・鴻池・竹中土木建設工事共同企業体(243m)、4工区(沼袋第3号踏切付近─野方駅)が西武・大成・安藤間・大豊建設工事共同企業体(487m)、5工区(中井第7号踏切付近─沼袋第3号踏切付近)が大成・西武・安藤間・東急建設工事共同企業体(902m)だ。

「西武新宿線(中井駅―野方駅間)連続立体交差事業」の各工区(資料:西武鉄道)
「西武新宿線(中井駅―野方駅間)連続立体交差事業」の各工区(資料:西武鉄道)
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