清水建設は2021年秋の開業に向け、東京都江東区で開発を進めている「豊洲6丁目4-2・3街区プロジェクト(仮称)」の街区内に、日本初となる都市型道の駅「豊洲MiCHiの駅」を整備する。湾岸エリアの交通の結節点になると共に、街の憩いの場や防災機能を備える。同社は開発街区で、現実空間と仮想空間を融合した「都市デジタルツイン」の構築にも着手する。

都市型道の駅「豊洲MiCHiの駅」のロゴ(資料:清水建設)
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 事業者と設計・施工者は清水建設だ。投資額は約600億円で、同社単独の開発プロジェクトとしては過去最大規模になる。工期は19年4月から21年8月を予定している。

 このプロジェクトは、大規模賃貸オフィスビルと、豊洲エリアで最大規模のホテルを中核とする、総延べ面積が約12万m2の複合開発だ。敷地は、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の「市場前」駅に隣接する。

 街区はオフィス棟とホテル棟から成り、その間に「交通広場」を設ける。豊洲MiCHiの駅は交通広場のバスターミナル機能を中心に整備し、交通広場の上を約1700m2のデッキで覆う。ここに、人々の交流の場となるオープンスペースを設ける。さらに市場前駅と晴海運河の水辺空間をつなぐ歩行者デッキも整備する。

ホテル棟(左)とオフィス棟(右)の間にバスターミナルを配置。その上のオープンスペースと建物内の歩行者デッキで、市場前駅と晴海運河をつなぐ(資料:清水建設)
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 豊洲MiCHiの駅には、歩行者や自転車を含む地域交通ネットワークを形成し、鉄道やバス、タクシーなどの公共交通やパーソナルモビリティー、シェアサイクルなどの交通結節機能を設ける。

 都心と湾岸エリアを結ぶ新交通、東京BRT(バス高速輸送システム)や、羽田空港や成田空港と接続する高速バスが乗り入れる。その待合室としても使える、憩いの場を用意する。

 災害時には、帰宅困難者の待機スペースにもなる。そのため、防災備蓄倉庫を整える。

 豊洲MiCHiの駅のオープンスペースでは、次世代モビリティーによる移動や物流など、ITを活用した新サービスの検証や開発、実装の場を用意する。清水建設は他社と連携し、豊洲エリアの新たなにぎわいや価値、新規ビジネスの創出に貢献する。

交通広場の上に設けるオープンスペース(資料:清水建設)
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 交通広場を起点にして、清水建設が開発したバリアフリーナビゲーションシステム「インクルーシブ・ナビ」も提供。スマートフォンアプリで目的地を設定すれば、歩行者や車椅子利用者、ベビーカー利用者、視覚障害者といった利用者の属性ごとに、音声と地図で経路をナビゲーションする。

 飲食や物販機能は、スタートアップ企業のMellow(東京都千代田区)が移動型店舗サービスを導入する。施設内の「停留所」で多様なサービスを提供する「SHOP STOP(仮称)」事業を展開する予定だ。

 そもそも都市型道の駅とは、17年8月に社会資本整備審議会道路分科会の建議の中で、「道路占用・空間のオープン化」に向けた施策として示された道路施設・空間コンセプトだ。同建議には「交通拠点機能や防災機能などを併せ持つ空間や歩く人のための施設など、新たな都市型の道の駅とも言うべき空間の創出についても検討すべきである」と記載されている。

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