ルネサス エレクトロニクスは、最大60Wの受電が可能な無線給電向けIC「P9418」を発売した(ニュースリリース)。「WattShare」と呼ぶ独自技術を備えることで、1つの無線給電用コイルを送電と受電の両方に使える。このため新製品を搭載した電子機器は、外部電源から無線で充電できるだけでなく、ほかの電子機器(デバイス)やアクセサリー機器に対して最大10Wの無線給電が可能である。同社は2020年9月に、最大30Wの受電が可能なWattShare技術搭載の無線給電IC「P9415-R」を発売している*。この既存製品に比べて2倍の最大60Wでの受電が新製品では可能なため、電子機器を急速充電することができる。具体的な応用機器は、スマートフォンやノートパソコン、タブレット端末などである。

最大60Wの受電能力を備えるWattShare技術搭載の無線給電IC
ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 WPC(Wireless Power Consortium)の「Qi 1.2.4」規格と「Qi 1.3+」規格に準拠する。なお、どちらのQi規格でも受電の電力は最大15Wであり、新製品の最大60Wでの受電は独自規格で可能になる。新製品では、フルブリッジ構成もしくはハーフブリッジ構成が可能なインバーター回路やPWM信号発生器、外部機器との通信に向けた変調器/復調器、英Arm(アーム)のCPUコア「Cortex-M0」、24Kバイトの再書き込み可能な(MTP: Multiple Time Programmable)不揮発性メモリー、LDOレギュレーターなどが1チップに集積されている。無線給電を行う際には、インダクターとコンデンサーからなるLCタンク回路を外付けする必要がある。

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 外部インターフェースとして、400kHz動作のI2CバスとGPIO(汎用入出力)を用意した。パッケージは、外形寸法が2.82mm×4.22mm×0.50mmの70端子WLCSP。すでに量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。