TDKは、測定範囲を最大5mに広げたMEMS測距センサー「CH-201」を開発し、一部の顧客に向けて販売を開始した(ニュースリリース)。2020年第2四半期には、世界全体で広く販売を始める予定だ。MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術で製造した超音波振動子「PMUT(Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducer)」で超音波パルス信号を送出し、測定対象に反射して戻ってくるまでの時間を測定することで、測定対象物との距離を求める。いわゆる「TOF(Time Of Flight)」方式を採用する。

測定範囲を5mに広げたMEMS測距センサー。TDKの写真
[画像のクリックで拡大表示]

 すでに同社は、測定範囲が最大1.2mのMEMS測距センサー「CH-201」を発表していたが(関連記事)、今回はこれを5mに広げたことになる。同社の子会社である米Chirp Microsystemsが開発したものだ。具体的な応用先として、AR/VR端末やロボットなどのほかに、民生用電子機器やドローン、スマートホーム対応機器、コネクテッドIoT機器、モバイル/ウエアラブル機器、自動車、産業用電子機器などを挙げている。

 MEMS超音波振動子のほか、DSPとミックストシグナル信号処理用ASICを、外形寸法が3.5mm×3.5mm×1.25mmと小さい8端子LGAパッケージに収めた。測定可能な距離範囲は20cm〜5m。最大サンプリング周波数は100サンプル/秒。「ミリメートル(mm)の精度で測定できる」(同社)という。視野角(FOV:Filed of View)は最大180度。400kHz動作のI2Cインターフェースを搭載する。電源電圧は+1.8V単一。消費電力は、4mの測定で1サンプル/秒のときに27μW、4mの測定で25サンプル/秒のときに500μWである。同社によると「業界で最も少ない消費電力を達成した」という。価格は明らかにしていない。