オランダNexperia(ネクスペリア)は、耐圧(コレクター-エミッター間の最大電圧)が80Vと高い抵抗内蔵トランジスタ「NHDTx/NHUMxシリーズ」を発売した(ニュースリリース)。同社によると、「耐圧が80Vと高い抵抗内蔵トランジスタの製品化は業界初」という。電気自動車やマイルドハイブリッド車などに搭載する48Vバス回路に向ける。「これまで抵抗内蔵トランジスタは、最大50V耐圧品しかなかった。50V耐圧品を48Vバス回路に適用すると、大きなスパイク電圧発生時に破壊する恐れがある。そこで今回、80V耐圧品を発売した」(同社)。新製品は車載用ディスクリート半導体の品質規格「AEC-Q101」に準拠する。

車載48Vバスに向けた抵抗内蔵トランジスタ
Nexperiaのイメージ
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 抵抗内蔵トランジスタは、バイポーラートランジスタのベースにバイアス抵抗(入力抵抗)を、ベース-エミッター間にバイアスエミッター抵抗を接続したものだ。抵抗器を外付けする必要がなくなるため、回路構成がシンプルになり、プリント基板上の実装面積を削減できるというメリットがある。半導体メーカーによっては、「デジタルトランジスタ」と呼ぶ場合もある。

 新製品のNHDTxシリーズは、pnp接合の抵抗内蔵トランジスタを1個搭収めた12製品と、npn接合の抵抗内蔵トランジスタを1個収めた12製品からなる。合計24製品の違いはパッケージや抵抗値などである。パッケージは3端子SOT23または3端子SOT323。NHUMxシリーズは、pnp接合の抵抗内蔵トランジスタを2個収めた6製品と、npn接合の抵抗内蔵トランジスタを2個収めた12製品からなる。パッケージはいずれも6端子SOT363。合計18製品の違いは抵抗値などである。最大出力電流は全製品いずれも100mAである。

 例えば、3端子SOT23パッケージに封止したpnp接合の抵抗内蔵トランジスタ「NHDTA114」の特性は以下の通り。バイアス抵抗(R1)とバイアスエミッター抵抗(R2)はどちらも10kΩ(標準値)。直流(DC)電流利得(hFE)は50(最小値)。トランジスタの遮断周波数は150MHz(標準値)。コレクター容量は3pF(最大値)。動作温度範囲は−55~+150℃である。

 現在、全製品を量産中。価格は明らかにしていない。