三菱電機は、絶縁耐圧が10kVrmsと高いIGBTモジュール「HVIGBT モジュール Xシリーズ dualタイプ HV100」を開発し、2021年4月にサンプル出荷を始める(ニュースリリース)。耐圧が±3.3kVのIGBTを2個搭載したモジュールである。「2in1」と呼ぶモジュール内部の結線方式を採用する。鉄道車両の駆動システムや直流送電、大型産業機械などに搭載するインバーター回路に向ける。

絶縁耐圧が10kVrmsと高いIGBTモジュール
三菱電機の写真
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 同社は、今回と同じように、2in1方式で耐圧が±3.3kVのIGBTを2個搭載したモジュール「HVIGBTモジュールXシリーズ LV100タイプ」を2017年5月に発表している*。こちらの製品では絶縁耐圧は6kVrmsだったが、モジュールのパッケージ技術を改良することで、新製品では10kVrmsに向上させた。「耐圧が±3.3kVで絶縁耐圧が10kVrmsのSiパワーデバイスを採用した市販のモジュールの中では、業界で最も高い出力電流密度を達成した」(同社)とする。新製品には「CM600DE-66X」と「CM450DE-66X」の2品種があり、前者の出力電流密度は8.57A/cm2と高い。

 新製品に搭載した2個のIGBTは17年5月に発表した既存製品と同じ、同社独自の素子構造「CSTBT(Carrier Stored Trench Bipolar Transistor)」を採用した第7世代品である。この2個のIGBTそれぞれに同社独自のRFC(Relaxed Field of Cathode)ダイオードを並列に接続するモジュールの内部構造や、モジュールの外形寸法(100mm×140mm×40mm)も既存製品と同じ。このモジュールでは、パッケージの絶縁板と放熱板を一体化することで、サーマルサイクル寿命(比較的長時間の温度サイクルでケース温度を変化させた場合の寿命)とパワーサイクル寿命(比較的短時間の温度サイクルでIGBTチップの温度を変化させた場合の寿命)を延ばしたとしている。

 新製品の主な仕様は下表の通りである。CM450DE-66X のサンプル価格は13万8150円(税別)、CM600DE-66Xは16万6050円(税別)である。

新製品(上)と同社従来品(下)の主な仕様
三菱電機の資料
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