韓国Samsung Electronicsは、プライベートイベント「Exynos On 2021」(米国時間の2021年1月12日に開催)においてスマートフォン向けSoC「Exynos」の最新製品「Exynos 2100」を発表した(ニュースリリース)。Sub 6GHz帯に加えてミリ波帯の5Gスマホにも適用できる。

オンラインイベント「Exynos On 2021」で、新製品の「Exynos 2100」を紹介するSamsungのInyup Kang氏(President of System LSI Business)
(出所:Samsung)
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 新製品のExynos 2100は同社の5nmプロセス*1で製造する。5nmプロセスで造る5G対応Exynosは、20年11月に発表の「Exynos 1080」(製品紹介ページ)に続き2製品目。7nmプロセスで造る場合に比べて、5nmプロセスで造ると、消費電力を20%下げるか、性能を10%上げることができるという。Exynos 2100のCPUは3種類8個のCPUコアで構成する。具体的には、2.9GHz動作の「Arm Cortex-X1」(詳しくは後述)が1個、2.8GHz動作の「Arm Cortex-A78」が3個、2.2GHz動作の「Arm Cortex-A55」が4個から成る。CPUの処理性能は前世代のExynosに比べて30%向上したとする。

Exynos 2100のCPUは3種のCPUコアで構成
(出所:Samsung)
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 Exynos 2100のGPUコアはArm Mali-G78で、前世代のExynosに比べてグラフィックス処理性能を40%向上させた。AI処理向けに、新規設計した3コアNPU(Neural network Processing Unit) を集積し、26TOPSの処理性能を達成したとされる。ISP(Image Signal Processor)は最大200M画素のカメラ(イメージセンサー)に対応できる。このISPには最大で6つのイメージセンサーを接続可能で、このうち4つのセンサーからの映像を同時に処理できるという。ISPが備えるMCFP(Multi-Camera and Frame Processor)機能を利用して複数のイメージセンサーの映像を組み合わせることで、より多彩な表現や高精細な撮影も可能になると同社は説明する。

Exynos 2100の概要
(出所:Samsung)
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 集積したモデムは2G、3G、4Gに加えて、5GのSub 6GHz帯、さらにミリ波帯もサポートする。モデムのダウンロード速度はSub 6GHz帯で最大5.1Gビット/秒、ミリ波帯で7.53Gビット/秒。4Gでも最大3Gビット/秒が得らえる。

 Exynos 2100は量産出荷中で、Samsungの最新の5Gスマートフォン「Galaxy S21シリーズ」のCPUとして搭載されている*2。なお、Galaxy S21のCPUは提供地域によっては、Exynos 2100ではなく米Qualcomm(クアルコム)のスマートフォン向けSoC「Snapdragon 888」*3の場合もある。Snapdragon 888もExynos 2100と同じく5nmプロセスで製造され、CPUの構成(Cortex-X1が1個、Cortex-A78が3個、Cortex-A55が4個)も同じ。どちらのSoCのCPUでも、Cortex-X1の採用をアピールしている。

Snapdragon 888のCPU
(出所:Qualcomm)
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 Cortex-X1は、「Arm Cortex-X Custom」の第1弾製品である。Arm Cortex-X Customは、顧客が欲しい仕様で英Arm(アーム)がその顧客向けのCortexコアを開発するサービス*4。Cortex-X1はCortex-A78のマイクロアーキテクチャーを変更して、高性能化を図ったCPUコアである。20年12月にSnapdragon 888が発表された際にはArmからニュースリリースは出なかったが、今回、SamsungのExynos 2100発表に当たってはArmからもニュースリリースが発行された。

Cortex-A78とCortex-X1を比較
(出所:Arm)
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