Bitcoinなどの暗号通貨のマイニングに向けたASICの開発を手掛けるTRIPLE-1(本社:福岡市)は、第2弾製品となる「KAMIKAZE II」を発表した(ニュースリリース)。同社は第1弾製品の「KAMIKAZE」を2018年4月に発表している(関連記事1)。2019年3月には、富士通エレクトロニクスと販売特約店契約を締結した(関連記事2)。

KAMIKAZE II(中央)の応用イメージ 
TRIPLE-1のイメージ
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 一時のブームが沈静化したとは言え、Bitcoin取引の人気は根強い。2019年には1ビットコインが50万円を切ったこともあったが、記事執筆(2020年2月7日)時点では100万円を超えている。今回発表になったKAMIKAZE IIは、KAMIKAZEで培ったさまざまなノウハウをベースに開発中だという。設計が完了したので、今回の発表を行ったとする。量産出荷は2021年の予定である。

 KAMIKAZE IIでは「ASIC Boost」と呼ぶ同社の新アルゴリズムを実装することで、第1弾製品に比べてマイニング性能を大幅に向上させたという。新製品のチップ当たりのハッシュレートは第1弾の23GH(ハッシュ)/秒から、240GH/秒になる。一方で、0.2V台と第1弾製品の0.3Vに比べて低い電圧で駆動することで、消費電力を大幅に削減できるとしている。ただしチップ面積は3.5mm×3.9mmから3.0mm×9.0mmへと増えるため、1チップ当たりの消費電力は1.2Wから6.7Wに上がる。性能対電力効率は52W/TH/秒から28W/TH/秒に改善するとしている。

KAMIKAZEとKAMIKAZE IIを比較 
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 TRIPLE-1によれば、KAMIKAZE IIはKAMIKAZEと同じく台湾TSMCが製造する。適用プロセスは「TSMC 7nmの改良版」と発表されているが、その意味を聞いてみた。「KAMIKAZEはTSMCのEUVなしの7nmプロセス『N7』で製造しているが、KAMIKAZE IIのプロセスはまだ確定していない。N7も当初からすれば改善されている。TSMCはEUV付きの7nmプロセス『N7+』、N7との親和性が高いEUV付き6nmプロセス『N6』も用意している。現在、これらの3つのうちどれが最適かを見極めている」(同社)とのことだった。

 今回、TRIPLE-1はもう1つ、開発中のチップを発表した。「GOKU」という名称で、ディープラーニング向けのASICである。5nmプロセスでの製造を予定しており、2021年の量産開始を目指すとする。12nmプロセスの既存品に比べて、GOKUは10倍の電力効率だという。小規模な演算ユニットを多数並べたチップアーキテクチャーを採るとのことだが、それ以上の詳しい情報は今後順次公開していきたいとしている。

GOKUのイメージと主な仕様 
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