ルネサスエレクトロニクスは2021年2月9日、同社の車載SoC(System on Chip)「R-Car V3H」を改良し、AI(人工知能)の処理性能を高めたと発表した(リリース)。

「R-Car V3H」を高性能化
(出所:ルネサスエレクトロニクス)
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 自動運転の「レベル2+」に対応した車載用フロントカメラやサラウンドビュー、自動パーキング、運転者や同乗者のモニタリングシステム(DMS/OMS)などに使える。「自動車市場では、ドライバーモニタリング、パーキングアシスト、ドライバー識別、同乗者検知など、高性能なディープラーニング(深層学習)機能へのニーズが高まっている」(同社車載デジタルマーケティング統括部長の吉田直樹氏)という。

 V3Hは18年2月に発売したが*、今回は低消費電力性をそのままに、ディープラーニングの推論処理に使うCNN(畳み込みニューラルネットワーク)用IPの処理性能を従来比4倍の3.7TOPS(毎秒3.7兆回)に高めた。コンピュータービジョン用IPを含むV3H全体では最大7.2TOPSの性能を持つという。

 自動車の安全性を評価するNCAP(New Car Assessment Program)の25年版に対応できるという。新製品は22年第1四半期から量産する。

 V3Hのリアルタイム処理回路は機能安全規格「ISO 26262」の「ASIL C」への対応を目標にしており、センサーフュージョンや制御指示を管理するための外付けのセーフティーマイコンを削減できる可能性があるという。認識処理や、ミリ波レーダー、レーザーレーダー(LiDAR)とのセンサーフュージョンを支援する各種IPも搭載するほか、ISP(Image Signal Processor)は800万画素のカメラに対応した。

 現行品のV3Hと、ハードウエアおよびソフトウエアの完全互換性を確保している。また、現行品と同様に画像ひずみ補正IP、ステレオディスパリティー(立体視差)、高密度オプティカルフロー、オブジェクト分類専用のエンジンなど、さまざまな画像処理用IPを搭載する。