独Infineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)は、IGBTとSiCショットキー・バリアー・ダイオード(SBD)を1つのパッケージに収めたスイッチング素子を発売した(ニュースリリース)。IGBTもSiC SBDも耐圧は+650Vである。特徴は、IGBTにSi SBDを組み合わせた場合に比べて、オン時のスイッチング損失(Eon)を約60%、オフ時のスイッチング損失(Eoff)を約30%低減できること。もしくは、スイッチング損失が同じであれば、スイッチング周波数を最大40%高められる。このため電源回路の変換効率を高めたり、外形寸法を小型化できたりする。

IGBTとSiCショットキー・バリアー・ダイオードを1パッケージに収めたスイッチング素子
(出所:Infineon Technologies)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社によると、「SiCパワーデバイスは、スイッチング速度が極めて高い。このため、SiパワーデバイスをSiCパワーデバイスに一気に置き換えると電源回路設計やプリント基板設計が格段に難しくなってしまう。今回の新製品を使って、まずはSBDだけをSi製からSiC製に置き換える。これならば、設計難易度はあまり高くならない。今回の新製品は、SiCパワーデバイスを使った電源回路に移行する際の橋渡しになる」という。新製品はDC-DCコンバーターや力率改善(PFC)回路、インバーターなどの電源回路に向ける。具体的な応用先は、産業用スイッチング電源や、無停電電源装置(UPS)、太陽光発電用インバーター装置、エネルギー貯蔵装置、電気自動車用充電器などを挙げている。

 

 新製品のパッケージには、同社の「TRENCHSTOP 5」技術で製造したIGBTと、同社の第6世代のSiC SBDを収めた。同社は「CoolSiC Hybrid Discrete」と呼び、今後品ぞろえを拡充していくという。まずは、コレクター電流や、コレクター-エミッター間の飽和電圧(VCE(sat))、パッケージなどが異なる10製品を用意した。コレクター電流の選択肢は40Aと50A、75A。コレクター-エミッター間の飽和電圧は+1.35Vと+1.65V。パッケージは、3端子TO-247と4端子TO-247である。4端子TO-247はゲート端子、コレクター端子、エミッター端子に加えてケルビンエミッター端子を設けた。

 10製品は現在、販売中である。価格は明らかにしていない。