独Infineon Technologies(インフィニオン)は、デジタル制御方式を採用した共振型スイッチング電源(AC-DCコンバーター)制御IC「XDPS21071」を発売した(ニュースリリース)。対応する電源回路トポロジーは、ゼロ電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)方式を採用したフライバック方式である。特徴は、「ZVS方式による共振型スイッチング電源を構成できるため、高い変換効率を得られる点にある」(同社)という。ACアダプターや急速充電器などに向ける。ACアダプターを対象とする変換効率の規制値である「EU CoC version 5 Tier 2」や「DoE Level VI」をクリアできる。

デジタル制御方式を採用した共振型スイッチング電源制御IC。Infineon Technologiesの写真
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 デジタルPWM制御回路のほか、外付けのパワーMOSFETを駆動するゲートドライバー回路や、+600耐圧の起動回路などを1チップに集積した。フィードバックループの制御方式は電流モードを採用した。動作モードは、同社独自のFFR(Forced Frequency Resonant mode)に加えて、DCM (Discontinued Conduction Mode)や、BM(Burst Mode)などに対応できる。このため同社は新製品を「マルチモード対応のフライバックAC-DCコンバーター制御IC」と呼んでいる。スイッチング周波数は最大で140kHzに対応する。軽負荷時はBM(Burst Mode)に移行することで、変換効率の低下を防げる。ソフトスタート機能や、保護モード、起動回路を介したブラウンアウト検出機能などを搭載した。パッケージは12端子DSO。動作接合部温度範囲は−40〜+125℃。すでに量産を始めている。価格は明らかにしていない。

 このほか、今回の新製品を搭載した45W出力の急速充電器用リファレンス設計「REF_XDPS21071_45W1」を用意した。USB PD(Power Delivery)規格に準拠する。入力電圧範囲は交流90〜264V。いわゆるユニバーサル入力対応である。出力電力密度は21.5W/(インチ)3と高い。ピーク変換効率は90%に達する。2020年3月に提供を始める予定。価格は明らかにしていない。