米Texas Instruments(TI)は、外形寸法が1.0mm×0.6mm×0.5mmと小さい2端子X1SONパッケージに封止したリニアサーミスターICを発売した(ニュースリリース)。Si(シリコン)基板上に作り込んだPTC(正温度係数)サーミスターである。周囲温度と抵抗値が線形性(リニア)の関係にあるため、同社は「リニアサーミスター」と呼んでいる。一般的な非線形なNTC(負温度係数)サーミスターと比較すると、温度検出精度を50%高められるとしている。このため「周辺部品やシステム全体を動作温度の限界により近い状態で運用できるようになる」(同社)と主張している。さらに、「非線形なNTC サーミスターを使用する場合は、線形化回路を外付けしたり、複数個使用することで異なる温度範囲をモニタリングしたりしていた。新製品を使えば、こうした対応が不要になるので、基板上の実装面積を約33%削減できると同時に、部品コストを抑えられる」(同社)という。温度測定や温度監視、熱補償のほか、コンパレーター(比較器)と組み合わせることで過熱保護といった用途に使える。

外形寸法が1.0mm×0.6mm×0.5mmと小さいリニアサーミスターIC。Texas Instrumentsのイメージ
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 +25℃における抵抗値(R25)が異なる複数の製品を用意した。例えば、R25が10kΩの「TMP61」や、100kΩの「TMP63」、47kΩの「TMP64」などがある。TMP61の特性は以下の通り。抵抗値の誤差は、0〜+70℃の温度範囲において±1%(最大値)、−40〜+125℃の温度範囲において±1.5%(最大値)。抵抗温度係数(TCR25)は+6400ppm/℃(標準値)で、その誤差は±0.2%(標準値)。抵抗値の長期間ドリフトは、最小値が0.1%で、最大値が0.8%。熱応答時間は0.6s(標準値)である。

 2端子間に印加できる電圧は+5.5V(最大値)、流せる電流は400μA(最大値)。動作温度範囲は−40〜+125℃である。このほか、外形寸法が4.0mm×3.15mm×0.77mmの2端子TO-92Sパッケージ封止品と、外形寸法が1.2mm×0.8mm×0.77mmの2端子SOT-5X3パッケージ封止品を用意した。動作温度範囲はTO-92Sパッケージ封止品が−40〜+150℃、SOT-5X3パッケージ封止品が−40〜+125℃である。いずれの製品も、すでに量産を始めている。1000個購入時の米国での参考単価は0.05米ドルからである。