米ANSYS(アンシス)は、3次元電磁界解析ソフトウエア「HFSS」を最新版「2021 R1」に更改した(ニュースリリース)。2021 R1の目玉が、メッシュ切りの新機能「HFSS Mesh Fusion」である(ニュースリリース)。

HFSS Mesh Fusionの概要
(出所:ANSYS)
[画像のクリックで拡大表示]

 HFSSでは、自動的にメッシュを切る機能がウリモノである。解析対象に寸法が異なる構造物があっても、各構造物の寸法に最適な大きさのメッシュに自動的に切ることができる。しかも、メッシュの寸法が異なる構造物間の境界でメッシュのノードが不連続にならないようにできた。ただし、寸法差が何ケタにもおよぶ場合には、この機能がうまく働かないことがあった。

 そこで、HFSS Mesh Fusionでは、ユーザーが構造物のメッシュの切り方を指定できるようにした。ただし、こうすると、構造物間の境界においてメッシュのノードの連続性が保てなくなる。今回は、境界の両側で電磁界方程式を解いた後で、不連続性を調整する仕組みを設けた。調整方法の詳細は発表していないが、ヒューリスティックな手法だという。

メッシュの切り方(メッシュアルゴリズム)をGUI経由でユーザーが指定
(出所:ANSYS)
[画像のクリックで拡大表示]

 HFSS Mesh Fusionを使うことで、例えば、電波暗室に置かれたタッチスクリーン付きディスプレーの電磁界解析をHFSSで実行できるようになった。タッチセンサーと電波暗室の構造物の寸法は何ケタも異なるが、HFSS Mesh Fusionを使って、人手でメッシュの切り方を指定し、境界での調整機能を働かせることで、タッチによって発生したノイズの電波暗室での伝搬状況をHFSSで模擬可能だという。

HFSS Mesh Fusionを使った電磁界解析の例
(出所:ANSYS)
[画像のクリックで拡大表示]

 なお、一般にヒューリスティックな手法は処理時間が長くなる。自動メッシュ切りで問題ない場合はHFSS Mesh Fusionを適用しないといった使い方が必要と思われる。