牧野フライス製作所は、中・大物のプラスチック製部品用金型の製作に適した5軸制御マシニングセンター(以下、5軸MC)と、NC形彫り放電加工機をそれぞれ発売した。自動車の内外装部品などの金型の加工を想定する。いずれも、これまで時間がかかっていた加工作業の時間短縮に加え、オペレーターの作業負荷の軽減に重点を置いて開発した。

図1 5軸MC「V100S」
(出所:牧野フライス製作所)
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図2 傾けたC軸
滑らかな動きにしやすいという。(出所:牧野フライス製作所)
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 5軸MC「V100S」は、加工可能なワークの大きさを幅2000×奥行き2500×高さ1050mmと大型化し、テーブルに載せられるワークの最大質量を1.5t(トン)に増やした(図1)。主軸の向きを変える軸の1つであるC軸を斜めに傾斜させ、工具の動きを滑らかにした。主軸とC軸が平行の場合、C軸の回転角が一意に決まらない特異点を工具が通過する際に、CAMによっては急激で余計なC軸の回転指令が入ってしまうことがある。この現象を抑えて加工品質の低下を防ぐ(図2)。

 併せて、加工精度を向上。「5軸加工ではプログラムのつなぎ目で、加工結果に段差が生じないようにする調整作業が必要だった。これをなくし、オペレーターの介在なしで長時間運転できるようにした」(牧野フライス製作所)。国内向け定価は8900万円(消費税別)、2021年8月から出荷する予定。年間45台の販売を計画している。

 NC放電加工機「EDNC22」は加工槽の大きさを幅2600×奥行き2780×高さ1150mm、加工範囲(軸移動量)を幅2200×奥行き2200×高さ800mmとした(図3)。加工ヘッドと電源をそれぞれ2台ずつ備えており、同時加工が可能。2つのヘッドは加工槽のほぼ半分ずつを分担し、中央部の幅100mmの細長い領域で両者の加工範囲が重なる。本体の剛性向上と加工液の温度制御で加工を安定させ、オペレーターによる精度調整作業を減らした。国内定価は1億2800万円。2021年10月から出荷する予定。年間10台の販売を計画している。

図3 NC放電加工機「EDNC22」
大型の加工槽があり、加工ヘッドと電源を2台ずつ備える。3D-CADによる描画。(出所:牧野フライス製作所)
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