米Texas Instruments(TI)は、車載用半導体ICの品質規格「AEC-Q100 グレード0」に準拠したデジタルアイソレーターIC「ISO7741E-Q1」を発売した(ニュースリリース)。動作温度範囲が−40~+150℃と広いことが特徴だ。同社によると、「AEC-Q100 グレード0に準拠したデジタルアイソレーターICの製品化は業界初」という。ハイブリッド車(HEV)と電気自動車(EV)において、高電圧回路で発生したリンギングなどから低電圧回路を保護する用途に向ける。「従来のAEC-Q100 グレード1準拠品では、周囲温度を+125℃以下に低減する冷却システムの設計が必要だった。新製品を使えば、そうした冷却システムは不要になる」(同社)という。

「AEC-Q100グレード0」に準拠したデジタルアイソレーターICをHEVやEVに適用した際の模式図
Texas Instrumentsのイメージ
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 絶縁は、SiO2膜による静電容量方式で確保した。絶縁耐圧は最大5kVrmsをである。動作電圧は1.5kVrms。サージに対する耐圧は最大12.8kVを確保した。瞬時コモンモード除去電圧(CMTI)は±100kV/μs(標準値)。データ伝送速度は100Mビット/秒と高い。このため、車載ネットワーク規格「CAN FD(Controller Area Network Flexible Data Rate)」に適用することが可能である。同社はすでに、AEC-Q100 グレード0に準拠したCAN FDトランシーバーIC「TCAN1044EV-Q1」を製品化している。

 新製品であるデジタルアイソレーターICの伝搬遅延時間は10.7ns(+5V駆動時の標準値)。静電気放電(ESD)耐圧は、接触放電モデルで±8kVを確保しており、「IEC 61000-4-2」規格を満足する。安全規格は、「UL 1577」のほか、VDEやCSA、CQC、TUVなどの規定に対応可能だ。電源電圧範囲は+2.25〜5.5V。消費電流は、データ伝送速度が1Mビット/秒のときに1.5mA。パッケージは、実装面積が10.30mm×7.50mmで、ワイドボディーの16端子SOP。1000個購入時の米国での参考単価は1.49米ドルである。

 なお、CAN FDトランシーバーICであるTCAN1044EV-Q1のパッケージは、実装面積が4.9mm×3.91mmの8端子SOP。1000個購入時の米国での参考単価は0.43米ドルである。