安川電機は2021年3月9日、ACサーボドライブ(モーターとアンプの組み合わせ)の新製品「Σ-X(シグマ・テン)」シリーズの販売を開始した。13年発売の「Σ-7」シリーズ以来、約8年ぶりのモデルチェンジとなる。基本性能を高めたほか、エンコーダーと同期したセンサーデータを収集できるようにした。

ACサーボドライブ「Σ-X(シグマ・テン)」シリーズ
(出所:安川電機)
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 新製品では、「速度応答周波数」「最高回転速度」「エンコーダー分解能」を従来品よりも高めた。いずれも「世界最高レベルの性能」(同社)をうたう。

 速度応答周波数は、従来品の3.1kHzに対し、新製品では3.5kHzとした。これにより、上位のコントローラーの指令に対する追従性が高まり、サーボドライブを搭載した装置の稼働が安定するという。

 最高回転速度は、従来品の6000rpmに対し、新製品では7000rpmとした。これにより、タクトタイムを「ほぼ6/7に縮められる」(同社上席執行役員モーションコントロール事業部長の上山顕治氏)。

 エンコーダー分解能は、従来品の24ビット(約1600万パルス/回転)に対し、新製品では26ビット(約6700万パルス/回転)とした。位置決め精度が向上し、より滑らかな動きを実現できるという。

装置の挙動が正確に分かる

 新製品では、ニーズが高まっているデータ収集・分析機能も充実させた。最大の特徴は、エンコーダーと同期したセンサーデータを収集できることだ。同社独自開発のセンサーネットワーク「Σ-LINK(シグマ・リンク) II」を適用し、エンコーダー信号線にセンサーやI/O機器を接続できるようにしたことで、データの同期を実現している。「モーターの動きに合わせて各種センサーがどのような値を取っているのか、正確に知ることができる」(上山氏)。データ分析の精度が高まり、より高速・高精度な制御が可能になる。

Σ-LINK IIによるセンサー接続のイメージ
エンコーダー信号線のモーター側を延長し、その先に接続する(出所:安川電機)
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 Σ-LINK IIによってエンコーダーと同期したセンサーデータを収集したい場合、アンプとモーターをつなぐエンコーダー信号線のモーター側を延長し、その先にセンサーを接続する。オプションのセンサーハブや分岐タップを使えば、接続するセンサーやI/O機器の数を増やせる。

センサーハブ
(撮影:日経クロステック)
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分岐タップ
(撮影:日経クロステック)
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 従来は、センサーやI/O機器を、サーボアンプやその上位のコントローラーにそれぞれ接続していることが多かった。Σ-LINK IIを活用することで、データの同期が手軽になり、配線も簡素化できるという。

 新製品のラインアップとしては、モーター3モデル、アンプ2モデルを用意した。今後、順次モデルを投入し、従来品並みのラインアップに拡充していく計画だ。価格はオープンとして明らかにしていないが、「従来品並みに据え置く」(同社)。加えて、新製品の発売後も従来品を併売していくという。

2021年3月9日販売開始時の製品ラインアップ
今後、順次拡充する(出所:安川電機)
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