NECは、IoT(Internet of Things)領域でシーメンス(東京・品川)と協業し、ドイツ・シーメンス(Siemens)のIoTプラットフォーム「MindSphere」とNECの人工知能(AI)技術「インバリアント分析技術」を組み合わせた監視・分析ソリューションの提供を開始した(図、ニュースリリース)。工場のシステムや製造ライン、プラントなどからデータを収集・分析し、安全かつ高効率な稼働と製品品質の維持を実現するという。

図:「MindSphere」の監視・分析画面のイメージ
(出所:NEC)
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 インバリアント分析技術は、大規模で複雑なシステムに多数のセンサーを設置してデータを収集・分析し、通常時に存在するセンサー間の不変的な関係性(インバリアント)をモデル化するもの(関連記事1)。システムの振る舞いを自動で学習してモデル化するとともに、熟練者による日々の運転パターンや監視ポイントといったノウハウを可視化する。

 さらに、モデルから予測されるデータの変化と実際のデータを比べて「いつもと違う状態」を検出して異常予兆を検知できる。機器の故障や操作ミスによる不具合を早期に見つけられ、稼働率の向上を図れる。監視のためのしきい値の設定や見直しにかかる負担も減らせるという。同社はこの技術をAI技術群「NEC the WISE」の1つとして提供しており、国内外で約100システムの導入実績がある。

 一方のMindSphereは、プラントやシステム、産業機械などから取得したデータの活用と高度な分析を図るプラットフォーム(関連記事2)。サプライヤーを問わずさまざまな機械・システムをつなげられる接続機能とデータを収集するクラウド環境、データを分析するアプリケーションから成り、これらの連携で可視化や予知保全を可能にする。シーメンスは、ゲートウエイ開発用のSDK(ソフトウエア開発キット)やアプリケーション開発用のAPIを公開するなどしてパートナー企業との連携を推進しており、アプリケーションとサービスの拡充を図っている。

 NECとシーメンスの協業により、データの収集・蓄積から監視・分析までトータルでの提供が可能になる。具体的には、MindSphereで現場のセンサーデータを収集・蓄積し、インバリアント分析技術で監視・分析までを自動で実行する。まずはクラウドソリューションとして製造業に提供。工場のシステムや製造ライン、プラントなどの設備、さらにはそれらの設備を用いて生産される製品に適用する。その後、他の業種へも対象を広げる計画だ。