ルネサス エレクトロニクスは、ミリ波を利用する通信機器に向けたICの品ぞろえを拡充した(ニュースリリース)。今回発売したのは2製品で、送信用アクティブ・ビーム・フォーミングIC「F65xx」と低雑音アンプIC「F692x」である。特徴は2製品どちらも、消費電力が低く、利得が高く、外形寸法が小さい点にある。フェーズド・アレー・アンテナに向ける。新製品を採用すれば、通信効率の向上と雑音の低減を実現できるという。具体的な応用先は、衛星通信用地上局や、航空機用通信機器、船舶用通信機器、レーダーシステム、ポイント・ツー・ポイントのミリ波通信機器などを挙げている。

ミリ波を利用する通信機器に向けた送信用アクティブ・ビーム・フォーミングICと低雑音アンプIC。ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 2製品どちらも、Ku帯(12G〜18GHz)やKa帯(26.5G〜40GHz)、CDL(Common Data Link)といった周波数帯域に対応した品種を用意した。送信用アクティブ・ビーム・フォーミングICは、Ku帯とCDLに対応した「F6513」、Ku帯に対応した「F6521」、Ku帯に対応した「F6522」の3品種がある。いずれも8チャネルのRF出力に対応する。位相(フェーズ)は、0〜360度の範囲において6ビット分解能で制御できる。チャネル当たりのRF出力は、例えばF6513が12.5dBm。小信号利得は、例えばF6513が25dB。ビーム更新時間は最大100nsと短い。消費電力はチャネル当たり100nWに抑えた。パッケージは、外形寸法が3.8mm×4.6mm×0.9mmと小さい62端子FC-BGA。動作温度範囲は−40〜+85℃である。

 低雑音アンプICは、Ku帯に対応した「F6921」、Ka帯に対応した「F6922」、Ku帯とCDLに対応した「F6923」を用意した。3品種いずれも、アンプ回路を2個集積したデュアルチャネル品である。例えば、F6921の利得は19dB(標準値)、RF出力は−5dBm(標準値)、消費電力は15mWである。3品種いずれも、電源電圧は+0.95〜1.05V。RF入力端子とRF出力端子の特性インピーダンスはどちらも50Ω。パッケージは、外形寸法が2.7mm×2.7mm×0.9mmと小さい23端子FC-BGA。動作温度範囲は−40〜+85℃である。

 量産前のサンプル出荷と評価キットの供給は、同社が定めた条件を満たすユーザーに向けて2020年4月に開始する予定だ。