ルネサス エレクトロニクスは、第5世代(5G)の移動通信基地局などに向けた最大18GHz対応のPLL周波数シンセサイザーIC「8V97003」を発売した(ニュースリリース)。特徴は、基本性能が高い点にある。対応する周波数帯域は171.875M〜18GHzと広く、出力の位相雑音は−60.6dBc(6GHz出力時、20k〜100MHzにおいて)と低く、出力電力は全周波数帯域において大きい。例えば、8GHz出力時の最大出力電力は+12dBm(標準値)で、18GHz出力時は+4dBm(標準値)である。同社によると、「周波数帯域と位相雑音、出力電力については、業界最高クラスの組み合わせを実現した」という。5G基地局のほか、ブロードバンド無線通信機器や、無線通信バックホール機器、ポイント・ツー・ポイントのミリ波通信機器、衛星通信機器、光ネットワーク機器、計測器、テスト機器などに向ける。

5G基地局などに向けた最大18GHz対応のPLL周波数シンセサイザーIC。ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 分数分周(フラクショナルN)方式と整数分周(インテジャーN)方式の両方に対応する。PLL回路や、電圧制御型発振器(VCO)、位相検出器(PFD)、周波数ディバイダー、SPIインターフェースなどを1チップに集積した。VCOの発振周波数範囲が5.5G〜11GHzと広く、位相ジッターは−60.6dBc(6GHz出力時、20k〜100MHzにおいて)と小さい。PFDの動作周波数は、整数分周モード時に最大500MHz、分数分周モード時に最大250MHzである。

 PLL周波数シンセサイザーの性能指数(FOM)は−236dBc/Hzである。基準クロック信号入力の周波数範囲は、LVPECL形式とLVDS形式のときに10M〜1.6GHz、LVCMOS形式のときに10M〜250MHzである。ミュート時の出力電力は−80dBm(標準値)。PLLのロック時間は1ms(標準値)である。+3.3V単一電源で動作する。パッケージは、実装面積が7mm×7mmの48端子VFQFPN。動作温度範囲は−40〜+95℃。すでに量産を始めている。価格は明らかにしていない。